シャープ、ソニーから旧式設備を買う 中国・台湾メーカーの狙い

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   シャープとソニーが国内外の液晶テレビ関連の生産設備を中国や台湾に売却すると相次ぎ発表した。日本の電機メーカーが旧式となった生産拠点や設備を見直したり、新興国など各国・地域ごとに商品を展開したりする動きが活発になってきた。時間の経過とともに最新鋭の液晶テレビなどを生産できなくなった工場の設備でも、中国などの現地企業に売却すれば、新興国向けの廉価な液晶テレビを生産することができ、双方にメリットがあるようだ。

液晶パネルは世代交代が激しい

   シャープは2009年8月31日、三重県亀山市の同社の看板工場である亀山第1工場の薄型テレビ用液晶パネルの「第6世代」と呼ばれる生産設備を、中国・南京市と中国の現地企業が設立した液晶事業会社に売却すると発表した。売却金額は非公表だが、中国メディアの報道によると、売却額は約1900億円とみられる。

   液晶テレビの基幹部品である液晶パネルは世代交代が激しく、シャープは現在、亀山第2工場で「第8世代」と呼ばれる最新鋭の液晶パネルを生産している。このため、旧世代に当たる第6世代の生産設備をもつ亀山第1工場は操業を休止しており、生産設備については、中国を念頭に海外企業に売却する方針をこれまで明らかにしていた。

   シャープの生産設備を購入する南京市の液晶事業会社は、2011年3月に稼働の予定で、シャープは同事業会社に出資はしないものの、「当社の生産技術およびノウハウを提供し、第6世代液晶パネル工場の建設と生産に協力する」という。

   また、シャープは中国の液晶パネル需要の拡大に備え、南京市と中国現地企業とともに、第8世代の液晶パネルを現地生産する合弁事業について協議していくことで合意した。さらに、部品である液晶パネルから、完成品である液晶テレビまでの設計・開発を行う「液晶設計開発センター」を2010年4月に南京市に設立する予定という。

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