駐輪場とロッカー、シャワーで月額2万3000円
こういった悩みを解消した施設が2009年2月、東京・麹町にできた。その施設「ランナーズステーションプラスバイク麹町」では、駐輪場とロッカー、シャワーを利用できる設備をととのえている。月額2万3000円で利用できる。
施設を運営する「ランナーズステーション」の浅川美幸さんは、「『麹町』の店では現在、月極の利用が24台あります。ただし、すでに満車。空きを待っている人もいます。これ以外には回数券利用があり、週1日は自転車通勤というライトユーザー向けのものです」と話す。
こうした駐輪場、ロッカー、シャワー設備を整えた施設は都内でも珍しい。浅川さんによると、利用者の主な使い方は自転車を駐車したあと、シャワーを浴び、あらかじめロッカーに持ち込んであるスーツに着替えてから地下鉄を利用して、出社しているそうだ。
「通勤者の自転車は高価でフレームだけでも30万、完成車では50~60万円ともなります。外に停めるのは、気が引けるという人は多い。盗難の心配がないという意味でも、重宝しているようです」
前出の小林さんも、こうした施設はもっと増えてもよいだろう、と指摘する。しかも日本の場合、自転車の駐輪場といえば駅の近辺だけで、利用しやすい街中などには皆無だ。まして、シャワールームはない。自転車通勤者の中には駐輪場として、スポーツジムやトランクルームを利用する人もいるそうだ。
「都心部の自転車通勤者が増えていることを考えれば、潜在的なニーズは十分あるでしょう。ですから私は、たとえば、ホテルやネットカフェ、銭湯なんかには自転車通勤者向けの施設を整えてもいいのではないかと思います。新しいビジネスチャンスとなるのではないでしょうか」