都内の大通りにも朝から、スポーティーなマシンを前屈みになって、さっそうと通り過ぎる自転車通勤者が目立ってきた。そんな彼らの悩みが駐輪場と「汗」の処理だ。シャワーやロッカーを完備した施設が都内にでき、利用料はやや高いにもかかわらず、「空き待ち」状況だ。「こうした施設がもっと増えれば、通勤者は拡大する」と指摘する関係者もいる。
「自転車通勤をしたいが汗が気になる」
自転車通勤者は通称、自転車ツーキニストとも呼ばれ、男性、女性を見かけることが増えた。中には、自転車通勤による通勤手当を出しはじめた企業もある。
NPO法人自転車活用推進研究会の理事長、小林成基(こばやし・しげき)さんによると、自転車通勤者の心理は、健康志向の高まりから自転車を選び、そうして通勤にも挑戦――というように段階的にはまっていくのだと指摘する。もっとも、自転車通勤にはもちろん、メリットとデメリットがある。
メリットには交通費が節約できること、満員電車を避けることできることなどが挙げられる。ペダルをこぐ全身運動は目が覚めるし、気分がさわやかにもなる。それによって、午前中の仕事にも集中力をもって取り組める。
反対に、デメリットは「駐輪場」と「汗」の問題だ。とりわけ通勤者の多くは比較的、高価なロードバイクやクロスバイクを利用している。値段にして数十万~数百万円ともなれば、盗難の心配もあって、置き場所には困る。そして、汗。Q&Aサイトなどにもいくつか、自転車通勤をしたいが汗が気になる。周囲に不快感を与えたらどうしようか――そんなカキコミも見られ、多くのツーキニストが頭を悩ませているようだ。