長引く不況の影響で、子ども服の売れ行きが低調だ。百貨店やスーパーに卸しているメーカーは売上げを落としている。苦戦しているのは、中、高価格品だけではない。安さが人気のチェーン、西松屋も既存店の売上げが連続して落ちている。その代わり、リサイクルショップで古着を買ったり、お下がりをもらうという人が増えているようだ。
ナルミヤの最終損益、12億円の赤字
高級子ども服のナルミヤ・インターナショナルは2009年9月3日、09年2~7月期の連結業績予想を下方修正した。売上高は80億7800万円(前回予想85億9100万円)、営業損益は9億9000万円の赤字(同6億9500万円の赤字)。最終損益は12億2600万円の赤字(同6億1800万円の赤字)だった。
下方修正の理由について同社は、「消費者の節約志向による買い控えが改善されず、5 月には新型インフルエンザの国内感染が発生して、百貨店やショッピングセンターの来客が激減し、大きなダメージを受けた」と説明している。また、不況下で業界全体がセールや値引き販売を積極的に行ったため、利益率の悪化を招いた。
同社は「エンジェル ブルー」「メゾ ピアノ」「ポンポネット」といった12ブランドを展開し、百貨店などに卸している。ほとんどが女児向けだ。
テレビや雑誌でジュニアタレントが同社の服を着て登場することもあり、女児の憧れの的となった。若い母親にもかわいいと好評で、大人の洋服並に高いのに飛ぶように売れた。しかし、不況下で百貨店の客離れが進み、影響を受けた形だ。
中価格帯の子ども服メーカー、キムラタンはイオンやイトーヨーカ堂などの総合スーパー(GMS)に卸している。09年4~6月の売上高は前年同期比19.4%減の9億2100万円、営業利益は8000万円の赤字、純利益は1億200万円の赤字だった。GMSで衣料品の販売不振が続き、発注が抑制された影響と、百貨店での販売が終了したことなど理由に挙げている。
安さで人気の子ども服専門チェーンの西松屋も、既存店の売れ行きは芳しくない。09年3月の既存店売上高は前年同月比6.7%減、4月は同比100.3%と前年並みだが、5月同比9.6%減、6月同比6.2%減、7月6.6%減、8月同比6.3%減とマイナスの連続だ。
また8月28日に2010年2月期第2四半期の業績予想を下方修正し、売上高は572億8700万円(前回予想は593億1100万円)、純利益は21億1700万円の黒字(同24億6000万円)となった。