推理小説などの設定と同じとの声も
青森県では、DVD貸し出しなどの中止については、とくに最高裁に要求しなかった。しかし、最高裁では、「(DVDなどを)『回収しろ』と言われても、無理です。ご理解下さい」と説明した。なぜ回収できないのかについての話はなかったという。
同県では、この裁判員制度PR映画については、設定を青森としたことに反対する立場だ。広報広聴課長は、取材に対し、「うちとしても、イメージアップを目指す施策を行っており、イメージは気になります。取り上げてほしくはありません。特定の地域であることが分からないような配慮があればよかった」と話す。
もっとも、映画はフィクションだ。リアリティーを出すのに、登場人物の出身県を挙げることはざらにある。こうしたことから、青森県内でも、問題視することに疑問を呈する向きがあるようだ。
青森観光コンベンション協会の関係者は、取材に対し、「国の公的機関が作ったのなら、青森県にあいさつしてもしかるべきだった」としながらも、こう言う。
「推理小説などのフィクションなら、青森出身者を悪者にする例はいろいろあるはず。それとどこが違うのかということですよ」
最高裁の広報課では、取材に対して、基本的に回答には1週間かかるとしている。その理由については、「様々な取材の申し込みが相次いでおり、順番に対応しているため、急いでお答えすることはできません」と説明している。取材には、全部まとめて答えるため、分かる範囲でも言えないという。