「麻生さんは非常に子どもじみたところがある」
それでも記者が
「麻生さんの名前を書くことについて党内で異論があるということですが、、そのことについてはどのようにお考えになりますか」
と聞くと、麻生首相は
「党内のいろんな意見があるというのは、知らないわけではありませんが、党内の意見をどのように集約するかは党執行部が決めること。そうお答えしてあるんで、党内のこと、党の意見、今、執行部としては、聞かれるべき相手は幹事長。総裁に聞くべき話ではないと、頭入れておかれたらどうです? そういう具合に」
と色をなして反論。さらに、記者を指さしながら
「総裁の意見は幹事長に一任してあると言ってあるんだから、あなたが聞くべき相手は執行部。すなわち党幹事長。麻生総裁ではありません。頭の整理できた?」
と言い放ち、会見は終わった。
このように、これまでにない不機嫌さを見せつけた形の麻生首相だが、この背景について、政治アナリストの伊藤惇夫さんは、
「『もう、どうせ辞めるんだから』と、今まで貯めていた感情をはき出したのでは」
と見る。一方で、伊藤さんによると、
「ただ、基本は変わっていません。これまでの『ぶら下がり』でも、ニュース番組で紹介されるのはほんの一部分なのですが、ノーカットのVTRを見てみると、逆質問などは日常茶飯事」
と、「今回が特別な訳でもない」ということのようだ。確かに、就任から1か月後の08年10月22日の「ぶら下がり」でも、記者に「ホテルのバーに通っているのは庶民感覚に欠けるのでは」などと指摘され、
「たくさんの人と会うと言うのは、ホテルのバーっていうのは安全で安いところだという意識が僕にはあります。だけど、ちょっと聞きますけど、例えば安いとこ行ったとしますよ。周りに30人からの新聞記者がいるのよ。警察官もいる。営業妨害って言われたら何て答える?新聞記者として『私たちの権利です』って、ずーっと立って店の妨害して平気ですか?聞いてんだよ。答えろよ」
と色をなして反論したこともある。結局は「麻生首相の性格によるもの」ということになりそうだが、伊藤さんも同様の見方だ。
「麻生さんは非常に子どもじみたところがあって、言い負かされたり、返答に窮するという状態が絶対にいやなんですね。つい、言い返してしまうんです」