TOEIC受験料初の値下げ 「儲けすぎ」が原因?

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   TOEICを運営する財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が一般の人が受験する公開テストの受験料を引き下げた。2009年9月13日の試験から、600円値下がりして5700円になる。受験者にとっては喜ばしいが、なにやら唐突な印象も拭えない。値下げのきっかけは、経済産業省が2月に行った「立入検査」にあった。

開始から30年で初めての値下げ

   英語のコミュニケーション能力を総合的に評価するTOEIC。テストを実施するIIBCによると、2008年度には前年度比5%増の171万8000人が受験した。このうち、一般の人が受験できる公開テストの受験者数は77万8000人に上る。

   テストが始まって30年。いまでは、企業では昇進や昇格の要件に使われたり、学校では推薦入試の基準になっていたりと、TOEICを必要とする人は少なくない。受験者数は年々増加している。

   現行の受験料は6300円。これが9月13日実施の試験から、5700円になる。インターネットやリピート受験割引サービスなどを利用して申し込む人の受験料も値下げ。すでに旧受験料で納付した人については、値下げ分を返金してもらえる。

   IIBCは、値下げの理由を「今年で30年を迎え、これまで多くの方に受験いただいたことで協会の安定的な運営が見込めるようになったこと」と説明する。

   しかし、きっかけは09年2月に行われた経済産業の立入検査(原則3年に1度実施)にあった。財団法人の公益事業について、指導監督基準には健全な運営に必要な額以上の利益を生じないように定めている。具体的には「内部留保比率の目安が3割以下」とされ、IIBCはこれに抵触している疑い、つまり「儲けすぎ」とみられていた。

   経産省は3月、IIBCに対して「収支状況などを検証したうえで、受験料の引き下げの可否について検討すること」と通知した。

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