日本人経営者は、会社のことばかり?
欧米の経営者では、50代前半でもリタイヤするケースは多いとされる。実際、マツダの社長を務めたヘンリー・ウォレス氏は、3年でイギリスに帰ると家族に約束したとして、1997年11月に任期途中で辞任している。
家族優先のほかに、役員報酬が高額なのも理由にありそうだ。ある外資系コンサルティング会社の欧州代表によると、米フォーチュン誌に載るような500社では、日本の一流企業の10倍以上だとしている。
これに対し、日本の経営者は、やはり会社のことばかり考えているのだろうか。
チェンバース社長の後任として、2009年10月1日付で社長に復帰する日本板硝子の藤本勝司会長(66)は、こうした日本人経営者のタイプのようだ。
藤本会長の娘であるタレントの千秋さん(37)は、自らのブログの8月27日付日記「カムバック」で、父親の社長復帰で家族が「大わらわ」になったと打ち明けている。
「還暦をとうに越えてる父なのにとにかく忙しくて忙しくて 世界中飛び回って ワタシ達はいつもカラダを心配していました」
「殺人スケジュール」のため、千秋さんは、体を壊して倒れた場合に、家族がどうなるのかを気にかけている。さらに、社長にカムバックして注目されたため、千秋さんが発言に気を遣う必要があったりと、タレント活動がやりにくくなったという。経営者になれば、家族をまったく犠牲にしないということは難しいようだ。
日本板硝子の広報・IR部では、チェンバース社長と比較した場合について、「個人個人で家庭の事情が違いますので、知る立場でもコメントする立場でもありません」と話している。