「よくぞいってくれた」とカキコミしたのは弱者
ニート・引きこもり支援団体のNPO法人日本キャリアビジョン研究所(NCVI)代表の鈴木明さんによると、ニートが生まれる背景には、家庭環境や社会環境など様々な要因が複雑に絡まっているため、専門外の人がニートの相談を受けると、おかしな回答になってしまう場合が多い、といい、竹原さんの回答に首を傾げる。そして、今回の竹原さんの回答に匿名で「よくぞ言ってくれた!」などと書き込んでいるのは、
「隠れニートの人達なのかもしれません」
とも分析している。
ニート予備軍は中学生頃から生まれ、就職して「発症」する。特徴は、勉強をせずに夜通しゲームやケータイで遊び、学校では居眠り。実社会との関係が薄くなり、自分一人で居ることが最も快適に思えてくる。そんな自分を守るため、相手に意見を言わなくなったり、強い者に対し従順になったりする。
「自分では絶対言えない有名人の過激な発言。その尻馬に乗ってはしゃぐ。『よくぞいってくれた』というカキコミは弱者のすること。ニートの兆候が出ていると思っていいでしょう」
と鈴木さんは分析する。
では、ニートから抜け出るにはどうしたらいいのか。鈴木さんは「親力(おやりょく)」が最も重要だと説く。子供をしっかりしつけ、育てて社会に出していく力のことだ。ただし、親にだけ責任を押しつけることは不合理であり、「個人は社会環境の中でしか改善できない」のだから、途切れてしまった外部との関係を修復するため、地域社会と連動しながら社会復帰に取り組まなければならない、と話している。