アマゾンとソニーに加え、書店大手も参入予定
また、09年3月には、「キンドル」向けの書籍データをアップル社のアイフォーンで読むためのソフトを無償配布すると発表。一見、キンドルとアイフォーンは競合関係のようだが、キンドルの書籍データは、一度購入すればアイフォーンなど他の携帯機器と共有することができる。このことから、アマゾン-アップル間の補完関係を目指す。
一方、これを追撃するのがソニーだ。ソニーは09年8月25日、電子ブック専用端末「リーダー」の新機種をクリスマス商戦向けに米国で発売する、と発表した。価格は399ドルで、旧モデルよりも画面が大きく、タッチパネルを搭載。「キンドル」と同様に無線経由で書籍データが取り込めるようになったのが特徴だ。今後、新聞や雑誌などコンテンツを増やし、アマゾンを追い上げるものとみられている。
現状では、米国の電子ブック市場は、アマゾンとソニーによる事実上の寡占状態だが、今後は書店大手も参入する予定で、市場規模は「右肩上がり」。米業界団体の国際電子出版フォーラム(IDPF)の調べでは、09年4~6月の米国内の電子ブックの売り上げ(卸ベース)は3760万ドルで、前年同期の1160万ドルから3倍以上の伸びを見せている。