民主党圧勝という衆院選の結果を受けて、かつて秋葉原などで「お土産」として絶大な人気を誇った「麻生グッズ」が続々と姿を消している。これに対し鳩山代表をモチーフにしたお土産は絶好調。政治家グッズも「政権交代」を余儀なくされているようだ。
民主党に関する商品は作らない
「鳩が豆まんじゅう」はみやげ店で完売するほどの人気ぶりだ
お菓子問屋「大藤」は「秘密の太郎ちゃんまんじゅう」など歴代首相のまんじゅうを制作してきたが、麻生首相関連の製品はすでに出荷を終了。小売店の在庫分のみで姿を消すことになるが、民主党に関する商品は作らないという。担当者は「お菓子屋も政権交代、と言われて傷ついているところです」とつぶやき、こう話す。
「今度は我々が挑戦者の立場。再びおみやげ業界の政権を奪取できるよう、手を打っていきます。新しい総裁も決定するので、面白い形で出せるなら制作も検討していきます」
印刷会社の「ヤマジ」は、デザイナーのMaiko Kissakaさんとコラボし、2007年から麻生首相をモデルにした「クリアファイル」を販売している。「迷彩柄バージョン」「ハワイアンバージョン」など5種類を販売、そのうち2種類が完売するなど人気を博していたが、こちらも在庫限り。
「秋葉原でお土産というと、当時は『おでん缶』くらいしかなかったが、今では政治家グッズも定着してきた。そういう意味でも一役買えたかなと思う」
と担当者。今後の予定はまだ決定していない。
「欧米では政治家グッズから政治に興味を持つ、という流れもある。おしゃれに見せるのが上手なんですね。話題性があってデザイナーがピンとくる政治家がいれば検討したい」
「鳩が豆まんじゅう」は完売状態
これに対し、民主党関連のお土産は勢いがいい。卸問屋の喜多村は09年6月に「鳩山民衆サブレー」を売り出したが、これが好調だという。「選挙が終わってからお問い合わせがかなり増えています」と担当者。今週末からは「政権交代・紅白まんじゅう」を売り出し、さらにラインナップを充実させていく。
「鳩が豆まんじゅう」も絶好調。卸問屋「永井園」が制作している。発売当初は「全然売れなかった」ともらすが、選挙が公示された頃から飛ぶように売れ始め、秋葉原のみやげ店や議員会館では完売するほどの人気ぶりだという。担当者はこう話している。 「急いで発注をかけ、来週頭くらいには再び店頭に並ぶ予定です。本当に、気づいたらなくなっていたという感じ。逆に『定額給付金メモ帳』は全然売れなくなっちゃいました。本当、人気に左右されますね」