「新宿マルイ」の男性専門店に、百貨店の常設店としては初めて、古着専門店がオープンする。国内外のデザイナーズブランドを中心に、カジュアル、モード、ビジネス系など約1000ブランド、3000アイテムを扱う。また、古くなった服のリフォームや、靴の本格修理ができる専門店もお目見えし、これまでの百貨店にはないスタイルとして注目を集めている。
約1000ブランド、3000アイテムの古着を販売
丸井は「新宿マルイ」全6館を2009年2月から順次リニューアルオープンしている。このうち男性専門の2館が9月18日に開店する。業界初のメンズファッション館として1986年から展開している「新宿マルイメン」と、男性のためのライフスタイル専門館「新宿マルイ アネックス」だ。
「新宿マルイ アネックス」は社会人男性を中心としているが、カップルや家族と一緒でも楽しめる店造りにしている。カジュアル衣料専門店「ユニクロ」、ファイブフォックスの新業態「コムサスタイルオデッセイ」といった値ごろ感のあるブランドが揃うのも特徴だ。また百貨店の常設店舗では初めてとなる古着専門店が入店する。
古着のセレクトショップ「ラグタグ(RAGTAG)」は国内外のデザイナーズブランドを中心に扱い、東京・渋谷や銀座など全国に13店舗を展開する。どの店もデザイナーズブランドのショップのようで高級感がある。
新宿マルイ アネックス店ではメンズ商品のほかにキッズ、レディースがあり、カジュアル、モード、ビジネス系など約1000ブランド、3000アイテムを揃える。
ラグタグを運営するティンパンアレイ(東京都中央区)の広報担当者は、
「百貨店に出店することで、いままでラグタグを利用したことのないお客様にも気軽に立ち寄っていただけるのではないか」
と期待する。
同社は古着でも安心して買えるということに力を入れている。一般客から買い取った古着をすべてクリーニングし、傷や汚れの情報は一目でわかるよう「タグ」に表示している。品質のよさが売りで、なかには新品のように見えるものもある。「古着だと思わないお客様もいらっしゃるんですよ」というほどだ。
「流行を追うのではなく、自分らしいファッションにしたい」
不況下で新しい服を買うのを控えて、代わりに古くなった洋服を「お直し」する人が急増中だ。思い思いのデザインに直す若者もいて、リフォームがファッションの新しい楽しみ方として見直されている。ユニクロでTシャツやパーカーを買い、バッジ、ワッペンやレースをつけてアレンジする「デコ・クロ」現象も、08年末からじわじわと広がっている。
新宿マルイ アネックスでリフォーム・リユースのコーナーを充実させる。
6階に設置するリフォームカウンターでは、裾上げなどの通常のサイズ変更に加えて、古い服のちょっとしたデザイン変更の相談に応じる。同フロアには修理専門店もオープンし、靴底を取り替える本格修理や、プロの磨き職人による靴磨きのサービスもある。
丸井広報担当者はリフォーム・リユースに力を入れる理由について、
「リニューアル前にお客様の声を集めたところ、流行を追うのではなく、自分らしいファッションにしたいという意見や、お手ごろ価格で手に入れたい、エコの観点から愛着のあるものを長く着たい、という意見がたくさんあり、それを反映しました」
と話している。
百貨店ではこれまで、古着やリフォームが新品の売れ行きを妨げると考えられていたが、節約志向が高まるなか、お客を呼び込む目玉として一役買いそうだ。