自らの考えと政党の考えとの一致度が質問の受け答えで分かるサイトの「ボートマッチ」。2ちゃんねらーとはてなユーザーが測定結果を出し合ったところ、それぞれ保守系政党、革新系政党が多かったことが話題になっている。
2ちゃんは、保守を強く訴える政党が多い
ボートマッチ結果の2ちゃんスレ
「幸福実現党70%、自民50%。おれネトウヨ決定wwwww」
「高いのが自民、改革クラブ、幸福の科学だったわ」
「自民、国民、公明、日本、民主、社民、共産の順になった」
読売新聞のサイトからもアクセスできる「日本版ボートマッチ」で、2ちゃんねらーが測定結果をニュース速報のスレッド上に持ち寄った結果の一部だ。2ちゃんねるのスレ「これやってみ。自分に合う政党がわかる」を見ていくと、700近いコメントでは、保守系と言われる政党と考えが合ったとの告白が多くなっている。中でも、保守を強く訴える幸福実現党が多い。
一方、読売サイトに140ほどついたはてなブックマークでは、革新系と言われる政党と考えが合ったというコメントの書き込みが目立つ。
「社共国日自民公。まさか社民と共産で同率1位とは」
「やってみた。共産のポイントが高かった」
毎日新聞が実施している「毎日ボートマッチ・えらぼーと」にも、はてブが60ほど付いており、そこでも若干、革新系が多いようだ。
もちろん、2ちゃんのスレでも、「社民でしたぁ」「全ての政党が50~60%の一致度というなんとも煮え切らない結果に」といったコメントもある。はてブのコメントも、毎日のボートマッチでは、保守系も多い。
とはいえ、「核と対北朝鮮関連に重きを置くと自然に幸福と改革になっちゃうじゃん」(2ちゃんねる)というスレへの書き込みもあるように、ユーザー間でも選ぶ政党の傾向が話題になっている。ネット上では、情報サイト「POP UP」も、「はてなユーザーは左寄りで2ちゃんねらーは右寄り?」などと取り上げている。
政治家発言報道に反応する2ちゃんスレだから?
2ちゃんねらーに保守的な考えが多いのは、実証研究からもある程度明らかにされている。
大阪大大学院の辻大介准教授らが2008年9月に明かしたネット上の右傾化現象調査結果によると、ネット右翼的である層は、2ちゃんねるに書き込むのが35%で、そうでない層の9%より多くなっている。
ITジャーナリストの井上トシユキさんも、2ちゃんには右寄りのプチナショナリズムが比較的高かったと話す。
「左寄りの報道を繰り返すマスコミに反発して、『本当のことを言っていない』と反発が強かったこともあると思います。ワールドカップの日韓共催サッカーが2002年に開かれたときなどはそうでしたね。2ちゃんねるは大きな集まりのサイトなので、声を吐き出しやすかったのでは」
ただ、当時としても、一部のねらーがたくさん書き込んだ可能性もあり、一概に右寄りとは言えないと指摘する。また、右寄りだったとしても過去のことで、現在は一部に限られ、ボートマッチの結果は、政治家の発言報道などに反応するニュース速報板だったからではないかとみている。
一方、はてなについては、井上さんは、左寄りという印象はないと語る。
「むしろリベラルかもという印象ですね。はてなは、本をいっぱい読んで議論をしているというイメージです。それで、政策的にバランスや中立を保とうとすると、左寄りの結果になるんじゃないですか」
はてなにこうした人たちが集まるのは、2ちゃんのようなノイズが少ないからではとみる。
右寄り、左寄り議論について、2ちゃんでは、「日本は左に寄りすぎてるから大した事じゃなくても右扱いなんだよね」「これは結局意味の無い決め付けじゃね? 2ちゃんに多いのは愛国者で公益主義な奴だよ。つまり愛国左翼」、はてブでも、「だからと言って全てのはてなーがサヨで全てのねらーがウヨという訳でもない」といった冷めた声も出ている。