ATOは経費節減にも一役買っている
ATOは、国内では神戸や福岡など、1970年代後半以降に開業した地下鉄や、無人運転で知られる神戸の「ポートライナー」や東京の「ゆりかもめ」などで採用されている。なお、首都圏で初めて本格的に採用されたのは、東京メトロの南北線(91年開業)だ。
実はこのATO、経費節減にも一役買っている。例えば東京メトロの丸の内線では08月3月、全駅にホームからの転落を防ぐ「ホームドア」を設置し、08年12月からはATOを導入。これらに100億円を投資したが、実はATOの導入は、車掌を削減した上で運転手が安全確認なども行う「ワンマン運転」を行うのが目的。将来的には、丸の内線だけで年間16億円の人件費削減が見込めるという。
TXでは、今回の問題を受けて、
「今後とも乗務員に『職責の自覚』、『意識をもった指差確認の励行』をしっかりと身に着け、健康管理および休養に十分注意するよう強く指導いたします」
とのコメントを発表。鉄道会社によっては、訓練のために、ATOがあるのにあえて「手動運転」を行うケースもある。今後も、このようなきめ細かい対応が必要になりそうだ。