TX運転手「125キロで居眠り」 それでも遅れず、無事到着のワケ

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   首都圏の鉄道で、運転士が居眠りをするという言語道断の事態が発生した。発覚したのは、居眠りしていた様子を乗客が携帯電話で撮影し、鉄道会社に「通報」したのがきっかけだ。幸いにもけが人は出なかったのだが、驚くべきは、その電車は遅れることなく、通常通り目的地に到着したことだ。その秘密はどこにあるのか。

12分にわたって走り続ける

TXは秋葉原-つくばを最速45分で結んでいる
TXは秋葉原-つくばを最速45分で結んでいる

   問題が起こったのは、東京・秋葉原-つくば(茨城県つくば市)を最速45分で結んでいる首都圏新高速鉄道(TX)の快速電車。問題の電車は、2009年8月27日午前8時2分に秋葉原を出発し、8時49分に終点・つくばに到着したのだが、乗客が「乗務員が運転中に居眠りをしていた」と、つくば駅の駅員に申し出て発覚した。

   TXの発表によると、運転をしていたのは乗務経験2年1か月の20歳代男性の乗務員。守谷-つくば間を走行中の8時45分ごろに居眠りをしてしまったが、つくば到着時には意識が戻っていたという。乗務員は「8時25分頃から眠気を感じてきたので窓を開ける等の措置を講じた。しかし、守谷駅を出発後に再度、強い眠気を感じてしまった」と話しているという。

   今回問題が起こった列車は快速列車だったため、問題が起こった守谷-つくばの20.6キロはノンストップ。途中4駅を通過し、12分にわたって最高時速125キロで走り続けていた。ところが、TXの発表によると、「電車の遅れは無かったので影響はありませんでした」という。

   この「居眠りでも遅れなし」を可能にしたのが、自動列車運転装置(ATO)と呼ばれる仕組みだ。運転手が出発時にボタンを押すだけで、自動的に電車が加速。駅が近づくと減速し、あらかじめ決められた場所にピタリと停車するという「優れもの」。テレビゲームの「電車でGO!」から想像するのとは、まったく違った運転の光景が繰り広げられている。

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