「売り」に出たFX業者を他業界や外資系が買収
最近、話題なのは「DMM.com証券」だ。金融とはまったく縁がない、DVDレンタルや動画、ビデオやCD、ゲームの通信販売などで知られているDMM.comが運営する。DMM.comが旧SBC証券を買収して参入。7月10日に「DMM FX」サイトを立ち上げ、サービスを開始した。
多岐にわたる参入者だが、FX業はそんなに儲かるのだろうか――。あるFX関係者は、「海外旅行などで、株式よりも為替のほうが身近に感じられることもあって、FX取引自体がまだ伸びるという期待の大きい」という。
最近は、ふだんからネット取引を活用する個人投資家が増えていて、「経営内容やバックボーンよりも、取引画面の使いやすさなどを重視する傾向にある」(別のFX関係者)。オーナー系のFX業者も「開業当初は新聞広告などでPRしたが、最近はもっぱらアフィリエイト。(FX業者を)ネットで探している人は多い」と証言する。
さらには、自己資本規制比率やレバレッジ規制などの規制強化をきっかけに、合併や廃業を検討している業者が増えてきたこともある。規制強化によって、多額の自己資金が必要になるので耐えられず、「売り」に出ている業者を「他業界や外資系が買収している」(前出のFX関係者)というわけだ。
規制強化は2010年夏以降になるが、既存のFX業者への適用は「段階的」になり、新規参入者には参入時から規制が適用されるという事情もある。豊富な資金源をバックに、今のうちに既存のFX業者を買収しておけば、規制の適用は「段階的」になる。規制が強化される前に参入を果たし、「100倍」「200倍」といった高倍率のレバレッジ取引で集客して囲い込む。そんな作戦のようだ。