痴漢に狙われないためには「髪を染めるといいらしい」ーー。そんな情報がネットを駆け巡り、話題になっている。痴漢被害を受けやすい女性は、見た目がおとなしく抵抗しそうにないタイプ、と昔からよく言われるが、髪を染めることによって活発な感じに「変身」、それが抑止力を発揮する、ということらしい。はたして効果のほどは。
「髪を染めろとお母さんにお金を渡された」
2009年8月17日、ミニブログ「ツイッター」に書かれたこんな「つぶやき」が話題の発端らしい。
「今どき髪が黒いってだけでおかしな男の人に狙われるから、染めておきなさいと、お母さんにお金を渡された」
これが「ツイッター」内で一気に話題になっただけでなく、ブログなどのサービスを提供している「はてな」にも波及。「つぶやき」を紹介した記事に400近いブックマークが付いた。
ブックマークした人達は、
「実際地味な格好ほど痴漢に遭うので、このお母さんの言うことも否定できない」
「これは事実そうらしい。黒髪ストレートは男ホイホイだという」
「男子でも絡まれるのが劇的に減ったりしますよ」
などと肯定する意見もあるのだが、
「わたしは初めて髪を染めた日に痴漢というものに遭いました」
「黒髪ストレートロングですが未だ電車内で狙われたことがありません」
と、首を傾げるカキコミもある。
髪を染めたら痴漢被害に遭わなくなった、と明かすのは東京都在住の20代の女性。黒髪で可愛らしい服装をしていたとき、電車内で何度も痴漢され、時には腕をつかまれ連れ去られそうになった。それが「パンク風」に赤く髪を染め、ミニスカートに履き替えたところ、全く痴漢に遭わなくなったというのだ。
「以前はおとなしそうに見えたから狙われたような気がします。髪を染めファションも『攻撃的』になったことで、痴漢が近寄りにくくなったのかもしれません」
と話している。
「すっぴんに眼鏡」も痴漢に効果的?
20代の働く女性のためのポータルサイト「escala cafe」(09年02月05日付け)には、通勤時の痴漢対策アイディアが掲載されている。ここでも外見を変えるのが痴漢対策に効果が大きいのではないか、と書かれていて、
「人相を悪くする。私キレたら恐いよ!触ったら言うよ!というオーラをガンガン出します」
「すっぴんに眼鏡のこともしばしば。痴漢対策のためではなかったのですが、結果的に痴漢に遭わなくなりました」
といったコメントが掲載されている。
それでは本当に髪の色や服装を変えると痴漢被害に遭いにくいのか。警察や民間の痴漢対策担当者に聞いてみた。いずれも、
「おとなしそうで声も上げられないような女性が狙われやすい、ということは昔からいわれていますが、髪を染めることが痴漢対策になるという話しは初めて聞きました」
と言っている。