毎朝ごはんを食べる人は、健康で元気なだけでなく、恋人にしたい「理想のタイプ」でもあるらしい。若者層のマーケティング調査を行うM1・F1総研が、朝ごはんを毎日食べる人を「朝食系」と名付け、食べない人との意識や行動の差や、食べないことによる弊害を検証してみたところ、朝食を食べる人のほうが仕事やプライベートで充実した生活を送り、さらにその「まじめ」で堅実なライフスタイルが恋人の理想のタイプとほぼ一致していることがわかった。朝ごはん「抜き」は、恋愛にもマイナスに働く?
朝ごはん「毎日食べる」は3人に1人
M1・F1総研が20代・30代の独身一人暮らし男女800人に聞いた「朝食摂取実態とライフスタイルの関係性」によると、朝ごはんが「元気の源」と答えた人が94.1%を占めた。「毎日朝ごはんを食べたい」と思っている人は74.5%もいる。ところが、実際に「毎日朝ご飯を食べている」人は34.8%と、3人に1人だった。
また、厚生労働省が08年12月に発表した「2007年国民健康・栄養調査」では、20年前から男女とも20~30歳代の欠食率が高くなっていることが判明。若者が朝食を摂らないことが社会的な問題になりつつあるようだ。
朝食を摂らない理由は、「時間がない」「ぎりぎりまで寝ていたい」といった声が多い。夜型の生活を送る人が増えたことが影響しているとみられるが、さらに朝食を摂らないと「生活態度がルーズになる」との傾向が表れた。
朝ごはんを食べる「朝食系」の人は、78.1%が「規則正しい生活をしている」と実感しているのに対して、朝ごはんを食べない人は30.5%しか実感していない。
「朝食系」は見た目のチェックも怠らない
朝ごはんを食べると「1日の力が出る」(57.4%)、「生活のリズムができる」(56.3%)といったメリットが見込める。朝食と午前中の仕事の集中力との関係についても87.8%が「影響がある」と答えており、始業から仕事に集中するまでの時間は、「朝食系」の22.3分に対して朝食を摂らない人は35.5分と、「朝食系」のほうが約13分早く集中できるようだ。
最近は「早朝大学」や「早朝ジム」、「早朝ミーティング」など、朝を有効に使おうという「朝活」への注目度も高まっている。朝ごはんを食べる人は時間に余裕をもって行動する人が多く、規則正しい生活が身についている。また、毎日朝食を摂る女性は「肌のお手入れに余念がない」(74.8%)、男性は「身だしなみに気遣っている」(63.8%)という調査結果もあって、「朝食系」は見た目のチェックも怠らない。
こうしたことから、「朝食系」にあてはまる、健康的で、かつ「きちんとしている」「身だしなみに気を遣っている」「日々の生活が充実している」といった項目が、異性から見て恋人にしたい理想のタイプとマッチングすることがわかった。どうやら、朝ごはんをきちんと摂って、生活のリズムをつくることが恋人をつくる「近道」のようなのだ。
東北大学・加齢医学研究所の川嶋隆太教授は、「朝食を摂らないと、脳神経細胞がきちんと機能しないことがわかっています。脳機能が全般に低下し、結果として社会人としての生活の質が低下しているのです。毎日朝食を食べる習慣がない若者が6割以上もおり、人生の負け組みになりかねません」と手厳しい。
「今すぐ自分の生活習慣を正してほしい」と忠告する。