イオン「葬儀ビジネス」に参入 「ブラックボックス」業界大変化

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

葬儀ベンチャー、10年で年商40億円超

   ティア(名古屋市)の冨安徳久代表は葬儀業界の革命児と言われている。18歳の時に葬儀屋でアルバイトから業界に入り込み、1997年7月にティアを設立した。2009年8月現在で名古屋市内中心に22会館、大阪に1会館の葬祭会場を展開している。09年9月期第3四半期(08年10月1日~09年6月30日)の葬祭事業の売上高は46億1000万円だった。

   急成長を遂げた理由は、業界の常識を覆した料金体系にある。葬儀にかかる費用のひとつひとつをオープンにした。

   祭壇料金は大きさ、形式によって異なり、小さいものは20万円台から、豪華なものは100万円台。祭壇料金には、枕飾り一式、火葬場手配、お通夜の道路案内、受付用具一式、祭壇上供え物、位牌、焼香用具一式が含まれている。

   そのほかにかかる料金もすべて明記している。遺体を会場に運ぶ寝台車料金が3万円(同一市群内)、その時に使う布団が1万1000円。会場で遺体の保存に使うドライアイスは1回分で5300円。消臭剤、防腐剤が1万1000円。この時にかかるサービス料金が7万円。湯かんの儀が8万5000円。仏衣一式が5500円。御棺が3万5000円。通夜、告別式、火葬場、初七日法要、初七日会席、後飾り祭壇にかかる一連の費用がわかる。

   生前に本人か家族、親族、知人が1万円を払って会員になると、50万円相当の割引を受けられる。葬儀を1回終えると無効になるが、再度会員になる人が多く、09年6月末現在で累計13万人にのぼる。

   外資系企業も参入している。

   オールネイションズ・ソサエティ(東京都中央区)は03年に日本に進出し、価格の透明性と本人自ら生前に予約するサービスで話題になっている。

   プランは全部で3つ。火葬を中心とした1日のお別れプランが50万円で、火葬の費用、納棺用品一式、枕飾り一式、役所への届け出、ドライアイス、骨容器一式、写真、寝台車、案内スタッフの費用が含まれている。家族、親族で通夜、告別式を行うファミリープランは70万円。火葬プランの内容に加えて、祭壇、司会、僧侶用品一式、設営スタッフの料金が入っている。デラックスプランは100万円で、ファミリープランの内容に加えて、生花祭壇、案内スタッフ、受付用品一式、棺の上に置く花束の費用が入っている。終身会員になると、各プランが10万円割引で受けられる。そのほか、オプションで霊柩車5万円、洋型霊柩車10万円、生花1万5000円~2万円、マイクロバス6万3000円などから必要なものが選べる。

   高齢化で死亡する人は今後30年間、増加するとみられていて、関連ビジネスは成長が期待されている。今後もイオンのような大手を含め、新規参入が相次ぎそうだ。

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