総選挙のマニフェスト(政権公約)で、各政党がこぞって打ち出しているのが「子育て支援」の政策だ。だが、結婚していない男女には縁遠い話。モテない人間は政治からも見放されている感があるが、それでいいのか。モテない男女のためのコミュニティサイト「非モテSNS」を運営する永上裕之さん(22歳)は、「非モテ割引などの支援策を望みたい」と訴えている。
会員は開始8カ月で約2万5000人
――永上さんが運営している「非モテSNS」というのは、どんなサイトですか?
永上 「非モテSNS」は去年2008年11月の末にオープンしたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、2つの特別ルールがあります。1つ目は、彼女や彼氏ができたら即退会しなきゃいけない、というもの。もう1つは、基本的に日記に書くのはモテなかった悲惨な話でなければいけない、というルールです。そうやって「非モテ」だけが集まるようにしているんですが、会員は開始8カ月で約2万5000人になりました。
――どんな人たちなのでしょう?
永上 まず男女比でいうと、男性6割、女性3割。あとネカマと言って、性別は男性なんだけど女性のフリをしている人が1割ほどいます。タイプでいうと、2ちゃんねるが好きなオタク属性の人やコスプレ屋さん。それから、女装子(じょそこ)って言って女装する男の人。あとは、最近はやりの草食系男子とか、自宅警備員(ニート)とか腐女子とか。その辺の人が多いですね。
――女性が3割というのは、思ったより多い気もします。
永上 男性は30代、40代が多いんですけど、女性はなぜか中・高・大学生が一番多い。どんな子かといえば、うまくクラスになじめない子が多いようです。日本には大規模なSNSがいくつかありますが、そういうSNSは友達関係を前提としているので、クラスでなじめない子にはつらいみたいなんですね。
でも、「非モテSNS」はハンドルネームでの参加が原則で、リアルな世界とは真逆なところでつながっている。だから、居心地がいいようです。「私、モテない」っておおっぴらに言うことができますし、みんな非モテなので、あったかい。「ここが自分の居場所だ」と思ってくれている人が多いですね。