酒井法子容疑者が所属するサンミュージックに、CMやファッションブランドの打ち切りなどで億単位の賠償金が請求される可能性が出てきた。このうち、酒井容疑者がどれだけ負担するかが焦点になっている。
田代まさしは、8000万円請求される
テレビに出ることは最近少なかった、のりピーことタレントの酒井法子容疑者(38)。とはいえ、CMにファッションブランド、裁判員制度PR映画と、その清純派キャラをビジネスにうまく生かしていた。
それだけに、覚せい剤事件を起こして、巨額の損害賠償のうわさがささやかれている。元タレントの田代まさしさん(52)は、内外タイムスの2009年8月18日付コラムで、自らも事件を起こした経験から賠償について語った。
田代さんは、「すでに収録が終わっていた番組がお蔵入りしてしまい、賠償金を8000万円請求されてまだ返してる最中」と告白。そして、「のりピーの場合さらにCMの違約金なども発生してすごい額になってしまうのではないかと…」などとつづっている。
実際、酒井容疑者は、CMでは、トヨタ自動車と製薬会社のアラクスと契約しており、トヨタが契約の打ち切りを予定し、アラクスが契約解除の交渉をしている。CM制作には、数億円かかるとされるから、損害は大きい可能性がある。
また、酒井容疑者のファッションブランド「PP rikorino」について、伊藤忠商事はすでに契約を継続しない決定をしている。150品目もあるといい、商品が店頭から撤去されたとも報じられている。
さらに、酒井容疑者が出演の裁判員制度PR映画「審理」について、最高裁がDVD貸し出し中止などを行った。制作費だけで7100万円もかかっているという。
このほか、ビクターエンタテインメントが、酒井容疑者のCD、DVDを出荷停止などにし、ベスト盤CDの発売も中止している。
ただ、損害賠償の請求については、各企業や最高裁では、まだ決まっていないなどとしている。
酒井容疑者は、3~4割の負担?
酒井法子容疑者側には、どれだけ賠償金が請求されることになるのか。
ある大手芸能プロの幹部によると、CMなら、酒井容疑者の場合、今後具体的なオンエア予定がなかったため、契約金をそのまま返還することになるという。この幹部は、CMと裁判員制度PR映画だけで、2億円の賠償額になるとみる。
最も損害が大きいというのが、ファッションブランドだ。「次の秋冬企画が立ち上がって商品ができており、それを店頭から下げないといけませんから」とこの幹部。その損失だけで3億円近くになるとしている。
すべて合わせて、酒井容疑者側には、トータルで5億円の賠償額になるというのだ。
支払いの交渉は、所属事務所のサンミュージックがする見通し。CMの契約金などは帳消しになることも多いというが、芸能プロ幹部は、酒井容疑者の場合、影響が大きく出ているため、本来の賠償額の4割程度は請求されると見る。
ところで、酒井容疑者は、賠償金のどのくらいを負担することになるのか。
起訴され解雇されるかで状況が違う可能性があるが、芸能プロ幹部は、「普通は解雇する」としたうえで、酒井容疑者もある程度負担するとみる。
「サンミュージック幹部が、『更生させたい』との意向ですので、そんなに請求しないと思いますが、3~4割は請求されるでしょう。一括でなく月払いになると思いますが、(酒井容疑者は)マンションなどの不動産を売ることになるかもしれませんね」
芸能事務所の契約にも詳しい紀藤正樹弁護士も、賠償金が減額される処理が行われるとみる。
「個人の契約になっていませんので、賠償対象はサンミュージックになります。そして、映画などで代役のタレントを立てて、1000万円のところを500万円で受けるなどの処理をするのでは。本人でないとダメでないものは代役を使うわけで、その点はジャニーズタレントなどと一緒でしょう」
酒井容疑者の負担については、こう指摘する。
「損害分を請求するとすれば、本人が不動産売却などで支払うことになります。復帰が前提なら、小向美奈子さんの例のように、解雇しても他の芸能プロに所属しないという拘束契約を交わし、負担を免除することも考えられます。きちんと刑罰を受ければ、事務所の温情は構わないと思います。厳しくすることで再犯を繰り返す人もいるわけですから。刑罰に温情を与えることの方が、むしろ問題があるでしょうね」