IT化で知らずに増える電力コスト 環境問題もあり、削減は「避けて通れない道」

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7割以上の経営者がITコストを正確に把握していない

   前出の調査では、自社のITシステムにおける導入コスト、運用管理コスト、電力・冷却コストなどについて、「把握していない」経営者は3割を超えた。「どちらともいえない」(39.8%)をあわせると、7割以上の経営者がITコストを正確に把握していないことになる。

   エネルギーコストの削減の調査を実施したNECは「情報量が増えてIT機器が増えれば、使っている電力も増えます。まず、きちんと電力量を把握することが重要です」と、IT電力量の「可視化」の必要性を説く。

   たとえば、マシンルームをみても「熱だまり」や「局所冷却」があるケースが意外にあり、こうした原因を解決するだけで消費電力を抑えられる。一つひとつを計測し、把握して「可視化」することが、コスト削減策の第一歩というわけだ。

   「可視化」は現場レベルの意識改革にもなる。最新のPCにはエコボタンやエコモードなど必要以上に電力をとらない省エネ設計が施されている。NECが現在実用化をめざしているPCには、PCがユーザーの使い方を検証してPC画面に使用電力の状況を知らせる機能を付けている。

「太りぎみの人が体重計に乗ると食事の量を抑えようと注意するように、PC画面を見て、電力の使いすぎを意識するだけでも効果がある」

   IT電力量の把握には、マイクロソフトが2008年12月から「SaveMoney.キャンペーン」を展開、「簡単コスト削減試算ツール」を無償で公開している。またNECなどもセンサーを取り付けて計測する、コンサルティングを通じて企業をサポートしている。

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