「近い将来、品薄になるかもしれません」
花きの輸出に詳しいフラワーオークションジャパン(FAJ)の上西博之さんによると、香港人・中国人によるマキの買いつけは千葉県匝瑳市に限らず、静岡県浜松市浜北区などでも行われている。買いつけたマキはコンテナ輸送するため、大小さまざまなものが詰め込まれ、輸送される。その後、中国・広州を経由して、中国国内で出回るようだ。
もっとも、マキは通常、おじいさんの世代で植えたものを孫が売るというように、育てるには長い年月がかかる。商品になるのは高さにして3メートル以上、木の胴回りは80センチ~1メートル級のもので、ここまで育てるには約80~100年かかる。そのため、上西さんは「頃合いの良い商品は、枯渇の方向に向かっている」と指摘する。
「しかも、最近では造形を加えていない原木までもが買われているようです。中国にいる日本人技術者の手入れの方法を、見よう見まねで習得しているようです。もちろん、日本のような高いレベルの手入れとまではいきませんが、素人目には十分なクオリティを保てるというわけです。将来的な投機として、原木を確保しているのでしょう」
前出の八日市場植木組合・佐藤さんも、「マキがすべて刈り取られることはないでしょう。手入れをしていないマキはまだたくさんあるからです。ですが、手入れの行き届いた商品となるマキは近い将来、品薄になるかもしれません」と話している。