「ミイラとりが、ミイラになってるんじゃないか」
「ニコニコ」を運営するニワンゴの西村博之取締役は、09年8月12日付けの自身のブログで「クリプトンさんが、なにやらおかしなことをし始めている気がします」とクリプトン社を批判。薬をやるとよくない、と「ミク」が歌っているだけなのではないか、とし、
「クリプトン社の社長の伊藤さんは、ネット上のMIDI(電子楽器の規格)の文化がなくなったのは、JASRACが権利を濫用したせいだみたいなことをおっしゃっていたと思うのですが、いつのまにか、ミイラとりが、ミイラになってるんじゃないかと」
などと書いた。
そうした中、「白いクスリ」の削除に応じた「ニコニコ」を運営するニワンゴは09年8月17日、一転して、
「削除した動画(白いクスリ)をこのあと復旧いたします」
とのニュースリリースを出した。クリプトン社の削除依頼には法的な根拠がない、と判断したためだという。今後は削除依頼に関しては、第三者が「営業上の利益および信用が侵害されるおそれがある」とみなした場合でも、法的な根拠に乏しければ削除はしない、としている。その代わり、動画をアップしたユーザーに対し、「ライセンス元から削除するように警告がきた」ことを通知。ユーザーの判断に任せ、ユーザー自身で動画を削除してもらうことが円満な解決になるだろう、と説明している。
今回のニワンゴの決定について、クリプトン社はどう考え、対応していくのだろうか、クリプトン社に取材を申し込んだところ、
「本件につきましては、現在関係各社様と協議いたしております」
とだけコメントした。