「働かざる者、食うべからず」はもう古い
――堀江さんはブログで「給料を払うために社会全体で無駄な仕事を作っている」と書いていますね。そういう「無駄な仕事」をしている人は、あえて働く必要がない、と。
堀江 世の中には、働いていること自体がみんなの負担になっている人が多いと思うんですよ。会社からただお金をもらって、社会的には意味のないことをしている人がたくさんいる。そういう人にはお金だけ渡しておけばいいのかな、と。多くの人たちは、社会のイノベーション(革新)には貢献していない。だから、働く必要がない人が働かなくても社会は回っていくんですよ。
――でも、働かなくてもお金がもらえるとなると、みんな働かなくなってしまうんじゃないですか?
堀江 心配ないと思いますね。「働くのが好きで働いている」というような一握りの人が働いて、社会の富を作り上げている。そういう人は、ベーシックインカムがもらえるとしても、そのまま働くと思いますよ。だって、好きで働いているんだから。そういうワーカホリックの人たちが、イノベーションを生み出していくんです。だから、働きたくない人は働かなくてもいい。
――「働かざる者、食うべからず」というのは、もう古いということですか?
堀江 そうですね。昔はみんなで助け合って労働しないと生きていけなかったけど、今は技術革新で農業の生産がすごく効率化していて、江戸時代みたいに全員が働かなくても死ぬことはなくなった。もちろん働きたい人はどんどん働けばいい。別に会社に勤めなくても、一人だって働けますしね。
――ただ、1億2000万人に毎月8万円を一律に配るとすると、年間120兆円近くの税金が必要となりますが、その財源はどうするんですか?
堀江 そこが一番の問題なんですよね。まず消費税を20%に上げるとして、現在その税収が10兆円ぐらいだから、30兆円ぐらい増やすことができる。ベーシックインカムで消費が増えることが期待できるので、35兆~40兆ぐらいいけるかもしれない。あと、年金と生活保護をベーシックインカムに統合してしまうので、それで約12~15兆円。これで50兆円ぐらいいけるので、残り70兆円をどうするかという話ですね。
――さきほどの話からすれば、公務員も削減できるので、そのコストも浮くと?
堀江 それもコストダウンになりますね。それに加えて、特別会計に流れている部分も含めて公共事業をカットすれば、40~50兆円ぐらい捻出できそうな気がするんですけどね。まあ、月8万円は無理かもしれないですけど、5万円ぐらいはいけそうな気がします。