ケース・バイ・ケースと各飲食店
男性のブログエントリーは、その考えさせる内容から、ネット上で反響を呼んだ。はてなブックマークが900以上も付いているほか、ほかのブログでも取り上げられ、賛否両論など様々な意見が出ている。
店長に対する賛成派は、持ち込みを見逃せば客に注意できなくなるので、当然の対応というものだ。ブロガーの意見を見ていくと、あるIT企業役員は、自らのブログ「よしのずいから」で、飲食店経営の経験から、店は飲食物を売って利益を出しているので、持ち込みは事前に相談してOKが出てからすべきだと説いた。食中毒やゴミ、店の雰囲気を壊すことなどの問題があるという。最近は、勝手に菓子を食べたり、缶ビールを飲んだりする客がいて、店が迷惑しているとしている。
また、ブログの中には、よしもとばななさんが特別扱いを求めるのは非常識だとの指摘も多い。もっとも、よしもとさん自身は、作家独特のエスプリやレトリックを効かせたのかもしれない。
一方、店長が堅物で接客を分かっていないという否定派もいる。
個人事業主という男性ブロガーは、「タケルンバ卿日記」で、自らのサービス業経験から、店長は、見て見ぬふりをしてもよかったと指摘した。客には、一回限りと伝えればよく、ワインボトルを店で預かって店長自らグラスに注いで持ってくるなど、店の利益より客を優先すべきだとした。また、そうでないと、バイトなどの従業員も離れ、いずれ接客レベルが落ちて、店は持たないと訴えている。
実際の居酒屋などでは、客の持ち込みにどう対応しているのか。
「和民」などを展開しているワタミでは、こう言う。
「仲間うちで誕生日のケーキを持ち込みたいという依頼がままあります。うちではケーキを扱っておらず、目的がお祝いですので、『大丈夫ですよ』と対応しています。ただ、アルコールについては、扱っているのでコメントできません。時と場合にもよります。有名人だから特別視することもありません」
コーヒーチェーンを展開するスターバックスコーヒージャパンでは、「お酒はありえませんが、おみやげのお菓子などは、事前に相談していただければ、試食などをしてもいいこともあります。ただ、ケース・バイ・ケースになるかもしれません」と話している。