インターネットが政治変える 31歳千葉市長の「IT選挙術」
(インタビュー「若者を棄てない政治」第1回/千葉市長・熊谷俊人さん)

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   全国で次々と30代の市長が誕生している。現職最年少は2009年6月に千葉市長に就任した熊谷俊人さん(31歳)だ。IT企業出身の熊谷さんはネットを駆使して政策をアピールし、当選を勝ち取った。市政でもネット活用を目指す若手市長は「インターネットが使えない議員は生き残れない」と断言する。

ホームページで「カンパ金額」をリアルタイムに更新

「Twitterやニコニコ動画も市役所の広報で使えるんじゃないかと注目している」と
いう熊谷俊人・千葉市長
「Twitterやニコニコ動画も市役所の広報で使えるんじゃないかと注目している」という熊谷俊人・千葉市長

――新卒で就職したのはNTTコミュニケーションズですが、そこではどんな仕事をしていたのですか?

熊谷 入社してから4年間、事業部長のお付き部隊で事業部の運営に関わっていました。経営会議とか取締役会とか会社全体の経営に関与することになるので、大きな組織がどういう意思決定で動いているのか、トップにふさわしいのはどんな人というのが実感としてわかる。NTTは半官半民みたいな会社で、私は企画系の部署という官僚的な立場にいたので、お役人の気持ちも痛いほど分かります。そのときの経験が、市役所という組織を動かす今の仕事にすごく生きています。

――NTTコミュニケーションズといえば、日本を代表するIT企業でもありますね。

熊谷 ITという面では、NTTグループのウェブサイトの統合作業にずっとたずさわってきましたし、今後のITビジネスがどういう方向に行くのかという研究会に加わって、戦略ペーパーを作ったりもしました。NTTというのは日本のITに責任を持っている企業で、「次の次の世代」のことを考えているわけです。その意味では、私は最先端のITの情報を政治の世界に持ち込んできています。

――IT業界での経験を生かして、市長選ではどのようにITやネットを活用したのでしょうか?

熊谷 まず、ホームページの充実ですね。私は市議会議員時代からホームページに力を入れていて、議会が開かれるごとに論点や質問内容を全部掲載していましたし、ブログも毎日更新していました。市長選でも、マニフェスト(政権公約)は全部のせたし、出馬表明した日にはその動画をユーチューブ(YouTube)にすぐアップしました。街頭演説のスケジュールも告示直前に出せる分だけバンと掲載しました。

――ホームページには、マニフェストの内容をわかりやすく説明した動画も掲載されていますね。

熊谷 動画では、支援者のメッセージも載せました。あとは、カンパですね。オバマ流カンパじゃないけど、企業献金をもらわないので市民のみなさんにカンパをお願いしました。そしたら想像以上に、500万円近くのお金が集まった。その金額をホームページ上でリアルタイムに更新していったんです。毎日通帳記帳して金額のカウンターをあげていく。インターネットをやっているなかでは、この「リアルタイム性」が一番燃えますからね。とにかく、いまの公選法でできるインターネットの活用はすべてやったと思いますよ。
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