静岡空港早くも「前途多難」 利用低調で減便の「危機」

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JALの西松遥社長とのトップ会談求める

   ところが、ここに来て、制度見直しをめぐる動きが本格化しつつある。前知事の辞職を受け、搭乗率保証の見直しを掲げて当選した川勝平太知事は、7月21日の定例会見で

「(JALと静岡県が)本来対等の関係であるべきところに、やや相手に譲歩するような姿勢が生まれた時があったように思う」

と延べ、8月10日の会見では、

「意思決定(権)のない部局でお目にかかってもさして解決への道が遠い」

として、JALの西松遥社長とのトップ会談を求めていることを明らかにした。さらに、記者から「話が平行線になって、トップ会談が実現しなかったらどうするか」と聞かれても、

「いや、必ず実現します。地の果てまで追い掛けます」

と、並々ならぬ意欲を示した。

   世論の反発も根強い。中日新聞が8月6日から8日にかけて、県内の4000人以上を対象に意識調査を行ったところ、搭乗率保証について91.8%が「反対」や「見直すべきだ」と回答。県内では、搭乗率保証制度に対する支持は、ほとんど得られていないというのが現状だ。

   もっとも、制度をめぐっては、石川前知事が09年2月27日の会見で、「保証がなければ1日3便を確保できなかったかも知れない」といった趣旨の発言をしている。言わば、「便数を税金で買っている」とも言える形で、保証制度がなくなればJALが減便に踏み切る可能性もある。

   さらに、09年3月に県議会で予算が通過した時に「保証が多額になりそうな時は、速やかに減便などの対応を求める」という趣旨の付帯決議が盛り込まれたという経緯もある。予算案に付帯決議が付くのは静岡県政史上初めてで、法的拘束力はないものの、県側がこれを無視するのは困難だとみられる。そうなると、仮に現在の水準の搭乗率が続けば、保証金制度自体が存続したとしても、減便に追い込まれるのは必至だ。

   JALの福岡路線以外でも、7月23日に就航したばかりのFDAも、目標とする搭乗率65%を大きく下回っている(鹿児島線58%、小松線47.4%、熊本線39.7%)。石川前知事の肝いりで1900億円をかけてオープンした静岡空港だが、川勝知事は大きな重荷を背負わされたのは間違いなさそうだ。

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