「羽賀やれ、ジャニーズやめとこう」 芸能マスコミ衰退の深層
(連載「テレビ崩壊」第1回/芸能リポーター・梨元勝さんに聞く)

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芸能ニュースサイトで生中継「それ、やりたいなー」

――以前から「キー局はもうダメだ」と仰っていますが、地方局についてはいかがですか。

梨元 名古屋テレビ(メ~テレ)と福岡放送(FBS)でレギュラーを持っています。地方局はやる気はあるのですが、どうしても東京に機材を出して取材、という訳にはいかない。週刊誌や新聞の引き写しということにはしたくない。でも、どうにかして(放送)時間を埋めないといけない。そうなると、僕が批判している「解説」の範囲にとどまってしまうジレンマはあります。大阪は「東京より自由。大阪はゲリラ」という話があって、一時期は良かったのですが、今ではすっかり吉本などのコントロール下です。いずれにしても、予算と距離が、どうにもなりません。

――地上波については、見通しは厳しそうですね。それでは、今後はどのような方向に活路を見いだしたいとお考えですか。

梨元 僕は「ワイドショーやめちゃえ!」って言ってますが、やり直せるとすれば、BSかネット。(現在「裏チャンネル」を運営している)ケータイでは画質に難があるのも事実なので、「PC向けのネットでワイドショーをやろう」という話も進行しつつあります。理想としては、日々取材する「梨元チャンネル」をネットやケータイで実現して、地方局などに「有料で配信するから受けてくれ」という試みをやりたいと思っています。スタジオをつくって、配信の時間も決める。
   「梨元チャンネル」では取材費は必要ですが、中継車などの「送り」の問題はありません。極端にいえば、交通費とカメラとPCが1台ずつあれば成立します。その分、大幅に身軽になります。

――現在でも、ケータイで「裏チャンネル」を運営していますね。月額315円の有料会員が5万人とも聞きます。

梨元 会員数は、公表してはいけないので推定にお任せします。次のステージが必要だと思っています。ハードの進化にあわせて、いかに人間の生身を伝えていくか、が大事です。伝え方は変わっても、伝えるものは変わりません。新メディアでは、ゼロからできることが魅力になります。BSや「梨元チャンネル」では、「ゼロからやってみようよ」という意気込みでやっています。でも、必ず、机の上に足を上げて打合せに臨むような人間が出てきます。ここで「ノーモア地上波」を目指すことが大事です。この反省さえきちんと押さえておけば大丈夫、という思いがあります。

――そういえば、マイケル・ジャクソンさんが急死した時、芸能ニュースサイト「TMZ」が、搬送先の病院から生中継をやっていましたね。

梨元 そうなの?それ、やりたいなー。ケータイにとっては理想の形なんだよねー。もうちょっとハードが進歩すれば実現出来そうですよね。

梨元勝さん プロフィール

なしもと・まさる 芸能リポーター。東京・中野区生まれ。法政大社会学部卒後、講談社「ヤングレディ」記者となる。1976年に芸能リポーターとして独立し、テレビ朝日「アフタヌーンショー」に出演。「恐縮です」の突撃取材スタイルで話題を集める。その後、テレビ朝日を中心に、ワイドショーに出演。2005年からケータイサイト「梨元 芸能!裏チャンネル」をスタートさせ、ネット媒体でも活躍している。著書多数。

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