資源国であるうえに「高金利」が魅力
豪ドルや南アランドが人気なのは、資源国であるうえに政策金利が高いことがある。
豪州は、8月4日に政策金利を3.00%に据え置くことを発表したばかり。南アフリカは13日に0.5ポイント引き下げたが、それでもまだ7.00%の高い水準にある。
一方、日本の政策金利(0.10%)は世界でも一番低い水準のまま。そのため、円を売って外貨を買おうという投資家は増えてくる。なかでも、豪ドルや南アランドは、通貨の金利水準が相対的に高いので、金利収入を期待して投資する向きがある。
リーマンショック後の世界的な景気悪化から、中国が一歩先行して抜け出しそうなこともあって、中国が豪州などの資源国からの輸入を増やすことが見込まれる。それに合わせて、資源国の景気が上昇すると期待されていることや、国内の景気回復による株価の上昇によって、多少リスクをとって投資してもいいという投資家が増えてきたことも、「高金利通貨」への投資が活発になった要因とみられる。
前出のNTTスマートトレードの工藤氏は、「基本的には高金利通貨を長く保有しようという投資家は多いようです」という。
このまま世界景気が上向くと読めば、豪ドルや南アランドなど資源国通貨への「買い基調」はまだ続く。