酒井容疑者に毛髪鑑定 起訴の決め手になるか

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弁護側は「科学的方法は確立されていない」などと反発

   著名人の裁判で毛髪鑑定が行われた例としては、1993年に角川春樹氏=最高裁で懲役4年の実刑判決が確定、すでに出所=が米国からコカイン密輸しようとしたとして麻薬取締法違反の罪などで逮捕・起訴されたケースなどがある。角川氏のケースも、酒井容疑者と同様、尿検査では薬物の使用が確認できなかった。千葉地裁での公判では、角川氏の毛髪を鑑定した警察庁科学警察研究所員が出廷し、

「約6センチの頭髪の先端に近い部分ほど、コカインの含有量が多い。このことから、角川被告(当時)は逮捕の4か月以上前から、時期をさかのぼるほど多量のコカインを常用していたと考察される」

などと証言。弁護側は「科学的方法は確立されていない」などと反発し無罪を主張したが、判決では検察側の主張が、ほぼ全面的に採用された。

   もっとも、毛髪鑑定に関連する業界は、事件を受けて、鑑定方法を公にすることについては慎重な姿勢だ。ある鑑定専門会社には、捜査に影響を与えるとの理由で取材に応じてもらえなかったほか、関東信越厚生局麻薬取締部でも

「警察とは鑑定のやり方が全く同じかどうかは分からないので、一概には言えない」

と話すにとどまった。

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