「自分らしさをつかんでもらえればいいと思っています」
日本HPの小出社長が出した「課題」には、約700通もの回答が寄せられた。「どの答えもマジメそのもの」(日本HP広報担当者)。社長はその1件1件に目を通し、その中から「It's ME賞」(ベストアンサー)として6人を選んだ。この6人は社長と直接面談する機会が与えられ、1人を「グランプリ」に選んだ。
社長が選んだグランプリは、面接先として大手製薬会社を想定した、大学3年生のこんな回答。当然ながらリクルートスーツには白いペンキがついている。
「見てのとおり僕はリスクを避けられませんでした。だからこそ、今日の風邪から、10年先の癌、そんなリスクに立ち向かっている御社を志望しました。家に帰ったら、ここに御社のロゴを書くつもりです」
小出社長は、ストーリー性とピンチをチャンスに変える前向きな発想を評価したという。
もっとも、ここでグランプリを獲ったからといって、協力企業に入社できるわけではない。それでも、学生たちにとっては大企業のトップと直に話ができるチャンスでもあり、自らの売り込みに必死になる。
またWEBサイトでは、社長のほか、他の学生からのコメント(評価)も得られる。「学生から高い評価を得たものが、必ずしも社長の評価にはならないようです。視点が違っていたり、その違いが学生と社会の違いであったりします。自分らしいと思っていた考えが否定されたり、受け入れられたり。そういった中で、自分らしさをつかんでもらえればいいと思っています」(日本HP広報担当者)
8月26日からは、スペシャルウイークとして一挙に6社のCEOが「課題」を出題。各社の課題に、何度も回答していくうちに鍛えられて、「自分らしさ」が見つかるかもしれない。