「無法」客待ちタクシー 警視庁が取り締まり強化

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原因は、供給過剰?良質ドライバー不足?

   警察サイドでは、タクシーのマナー低下が、治安の悪化にまで及んでいるとみる。

   警視庁の留安敬一警視は、東京交通新聞のインタビューに対し、タクシーを巡る110番通報で、警察の貴重な要員が割かれると訴えた。そして、深夜10~11時に、窃盗やクスリ密売の事件を十分捜査できなくなっているというのだ。また、事故が多くなっているのも、警察の力を削いでいるとした。

   そのうえで、留安警視は、タクシーによる違法駐停車などの取り締まりについて、「淡々とやっていく」と述べた。そして、「脅し文句になるかもしれませんが、やることはやるということを、皆さんが分かっていただけたらいい」と取り締まり強化の方針を示した。警視庁では、2009年6月24日にタクシー関係団体と連絡会議を開くなどして、事故防止を訴えている。

   タクシー業界では、取り締まり強化に危機感を持っているようだ。

   前出の緊急代表者会議では、東京乗用旅客自動車協会の副会長が、インタビューに「取り締まりをどんどんやるのは、企業がたまったものではない」と漏らした。02年2月の道路運送法改正で規制緩和されてから、都内で1万台ほど増えていると指摘。そして、供給過剰がこうした問題を生んだとして、都市部での規制を可能にした09年10月1日のタクシー特措法施行に向けて、減車に取り組むことを明らかにした。

   一方、規制緩和を訴えているMKタクシー(京都市)では、供給過剰がマナー低下に結びつかないと反論する。

「安心して乗れるお得なタクシーは、むしろ不足しています。われわれは、お客さまに選んで乗っていただくスタンスですので、電話予約注文が主体です。専用の乗り場も作っており、路上で待ったりはしていません。事故についても、ドライブレコーダーを搭載したり、教習所と連携して指導教育したりしており、むしろ減少傾向にあります」(経営企画部)

いずれにせよ、タクシー業界には、マナー向上への取り組みが求められそうだ。

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