外食産業では携帯サイトを使って「割引クーポン」を配布し、お客を囲い込む動きが活発になっている。通常の半額になったり、飲食代の総額から最大15%オフになったり、とお得感がたっぷりだ。不況下の消費者心理にぴったりはまり、会員は大幅に増えている。
すかいらーく、1年で230万人が登録
すかいらーくは2008年7月にモバイルサイトをオープンし、09年8月時点で230万人が登録している。
登録すると、同社の「ガスト」「バーミヤン」「夢庵」「すかいらーく」「ジョナサン」など9業態の全店舗で使える「割引クーポン」が毎週金曜日に配信される。例えば、ガストでは8月31日まで山盛りポテト、チーズケーキ、ドリンクバー、キッズメニュー3商品が半額だ。バーミヤンでは、ドリンクバーやサイドメニューなどが半額。このほか、飲食代から最大15%割引してもらえるクーポンを不定期で発行する。印刷する必要はなく、注文時に画面のクーポンを見せるだけで使える。登録料は無料なので、頻繁に店を利用する人はもちろん、たまにしか行かないという人も登録したほうが断然お得なのだ。
不況で外食産業は厳しいと言われている中で、ガストは健闘し、客数も前年比100%を越えている。
「『クーポン効果』だけではありませんが、大きな要因になっていると思います」
と広報担当者はいう。
年内に会員500万人を目指し、新規会員獲得キャンペーンを展開していく。
日本マクドナルドも携帯サイトでクーポンを配布している。会員数は2009年7月時点で1300万人とダントツで多い。携帯サイトでクーポンを配りだしたのは03年で、08年5月にはお財布携帯を使う「かざすクーポン」を立ち上げた。かざすクーポンの会員は300万人以上だ。
特徴は時間帯や曜日によっていろいろなクーポンがあること。使いたいものをダウンロードし、携帯を読み取り機にかざすという仕組み。「iD」や「Edy」といった電子マネーでも支払える。
日本経済新聞社の調査によると、主要外食20社の携帯会員数は09年7月末時点で約2489万人。1年前に比べて7割増えた。