覚醒剤や合成麻薬MDMA 性的快楽を増大させる?

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   覚醒剤や合成麻薬MDMAがらみの事件が相次ぐ中で、「クスリと下半身」の関係が取りざたされている。逮捕された押尾学容疑者は不倫相手との性行為でMDMAを使用したのでは、と取りざたされている。酒井法子容疑者の夫が渋谷で職務質問された際も「下半身のクスリなので恥ずかしくて出せない」といって提出を拒否したという。実際は覚せい剤だった。

「性生活に結びついているところがあるんじゃないですか」

   覚醒剤や合成麻薬MDMAを使うと性的な快楽が増す、と言われている。ネットの掲示板にはそうした話がたくさん書き込まれている。「媚薬」と表現する専門家さえいる。ただ、断定的な形でマスコミに載ることは少ない。

   例えば、2009年8月12日放送のTBS系の情報番組「ひるおび!」では、覚醒剤に手を出してしまう理由について解説している。「快楽を求めて使用する」が一つのパターンに挙げられ、番組のコメンテーターで警視庁捜査一課長を務めた田宮榮一さんが、

「自分から求めて(覚醒剤を使用する)ということがあって、性生活に結びついているところがあるんじゃないですか」

とオブラートに包んで話していた。

   TBS系情報番組「アッコにおまかせ!」(2009年8月9日)でのこと。番組で押尾容疑者の事件に触れたとき、お笑いコンビ「TKO」の木本武宏さんが、飲み屋で出会ったばかりの知らない人に「これ、下半身に効く錠剤だから飲んでみ」と渡されたことがあった、と話したのだ。何の錠剤か解らないため受け取りは断わったのだが、

「あいさつ代わりに錠剤渡すの、そういうのが普通にあったりする」

というのだ。もちろん、「下半身のクスリ」といえば覚醒剤を想像する向きは少なくない。

   厚生労働省地方厚生局麻薬取締部の資料によれば、覚せい剤は日本国内で最も乱用されている薬物で、使用すると覚醒作用と陶酔感を引き起こす。使用を続けると幻覚や妄想が現れ、覚せい剤精神病になる。大量に摂取すると死に至る。

   一方、MDMAは称名をエクスタシーと呼び、使用すると一時的に陶酔感が得られ、幻覚作用もある。乱用すると精神錯乱や記憶障害を引き起こす。錠剤になっていることが多く、カラフルな色と様々な模様の刻印があり、ラムネ菓子に見える、とも記されている。

MDMAは「ラブドラッグ」というジャンルに分類

   MDMAが日本で「下半身のクスリ」として使われるようになったのは10年ほど前から。エクスタシーという別名や、「ラブドラッグ」というジャンルに分類されて性行為のイメージとリンクされた。経口剤という手軽さとラムネ菓子に見える馴染みやすさから使用者が拡大。有名女性歌手がSEXの時に使っている、という噂が流れたことも大きく影響し、「あの歌手も使っているクスリ」といった販売目的のチラシが、カラオケ店に出たり、自宅のポストに入れられたりと、ネットでもかなり話題になった。

   「覚醒剤の社会史-ドラッグ・ディスコース・統治技術」「ドラッグの社会学-向精神物質をめぐる作法と社会秩序」などの著書がある熊本大学文学部総合人間学科の佐藤哲彦教授によれば、覚醒剤が「下半身のクスリ」として使用されることは1970年代まではほとんどなかったようだという。

   第二次大戦後、覚醒剤は不眠不休で仕事や勉強をできるだけ長く続ける目的などで使用された。一方のMDMAは心理療法に用いられた薬で、かつては米国でセラピーの補助剤として使用された。なぜ日本で「下半身のクスリ」として使用されることになったのか。佐藤教授は口コミに加え、マスメディアによるイメージ流布の影響が大きいと見る。薬物の使い道は使用者が独自に「工夫」できるため、今までになかった、「性的な使用法」が発見され、それが人々の間に広がっていった、と佐藤教授は説明している。

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