既存政党に属していない渡辺喜美元行政改革担当相や江田憲司前衆議院議員らが2009年8月8日、都内のホテルで記者会見を行い、新党「みんなの党」の結成を発表した。「脱官僚」「地域主権」「生活重視」の3つのポリシーを掲げ、「既成概念を打ち破り、政権再編の起爆剤となることを目指す」と宣言した。
目指すは「官僚政治の打破」
渡辺氏は「命がけの覚悟を持った新党です」と力説した
渡辺氏が代表に就任し、江田憲司氏が党務を仕切る。民主党を離れた浅尾慶一郎氏が政策を担当する。この3人が「パートナー」として党の中核をなし、前衆議院議員の広津素子氏と山内康一氏の2人が「パートナー補佐」としてサポートする。この5人を含め、8日現在で13人の公認候補と2人の推薦候補を小選挙区に擁立することが決まっている。
記者会見で、渡辺氏は、
「官僚主導の政治、霞ヶ関が地方を支配する中央集権体制、天下りネットワークによって国家経営のねじれが著しくなっている」
と語り、「官僚政治の打破」を訴えた。行政改革の具体的な目標として、国家公務員の10万人削減、給与・ボーナスカット等による人件費の3割以上カットを提示。「天下りの全面禁止」もマニフェスト(政権公約)に掲げた。
また「脱官僚」とともに、「地域主権」と「生活重視」を前面に打ち出し、従来の自民党型政治との違いをアピールした。
民主党との違いは「バラマキ政治」の否定
ただ、これらの政策は民主党と似通っている面がある。その点を問いただされると、江田氏は
「たしかに脱官僚や生活重視は民主党と似ている。しかし、民主党のこれでもかという『バラマキ政治』にはくみしない。高速道路無料化や高校無償化といったバラマキ政治で将来に責任が持てるのか」
と民主党の姿勢を批判した。その一方で、渡辺氏は選挙後、民主党と連携する可能性があることを認め、あくまでも「反自民」が主眼であることを強調していた。
「みんなの党」というユニークな党名や「パートナー」という新しい呼称を用いたことについては、
「既成概念を打ち破る発想でやっていくということと、『ユア・パーティー』として常に国民の目線を忘れないという意味を込めて『みんなの党』に決めた」(江田氏)
と説明。渡辺氏も、
「我々は政権交代の先を考え、政界再編のための起爆剤となることを目指す」
と政界に新しいうねりを起こすために立ち上がったと結党の趣旨を説明した。