公明党が総選挙に向けたテレビCMを放映しないことを決めた。代わりに、インターネットで政策を紹介する動画を放映する。高額な費用がかかるテレビCMを避け、ネットを通じて若者や女性向けに党の主張や政策をアピールする。15秒のテレビCMでは「政策を訴えるには短すぎる」という。
ネットCMを広報戦略の中心に据える
公明党のテレビCMといえば、2001年の参院選で当時の神崎武法代表が自らの名前をもじって、「そうはイカンザキ」とアピールしたCMが評判を呼んだ。お堅いイメージの政党CMに交じって、ユニークさからCM効果も相応にあったが、それでも今回の総選挙ではテレビCMを見送ることにした。
その理由を、「党の主張や政策を訴えるには15秒では短すぎるし、作品も限られるため」(公明党広報部)と説明。時間を制限されずに、政策をきめ細かく訴えやすいネットCMを広報戦略の中心に据えた。若者層を中心とする、いわゆる無党派層の取り込む狙いもある。
もっとさまざまな角度から主張や政策を訴えたい、インターネットなどのバリエーションに富んだ宣伝活動を展開するため、「Webムービーをいくつか制作してホームページ上に置いて、さまざまなメディアを通じてインターネットユーザーを誘引する。それによって党の主張や政策を浸透したい」という。
公明党は「インターネットは広告量もラジオを抜いて増えている。政治カテゴリーでも、どんどん効果が上がると考えている」とみている。党のホームページ(HP)には、すでに「ウェブTV」を開設。定例記者会見の模様やマニフェストのポイント解説などが流れていて、ネットCMとともに内容を充実していく。
総選挙に向けた広告展開では、一般紙やスポーツ紙、夕刊紙への出稿はこれまで通り。新たに女性誌やインターネットのポータルサイトのバナー広告へ出稿する。テレビCMを見送ることで、広報宣伝費の大幅な削減にもつなげる。