路面電車は「正念場」 長崎では25年ぶり値上げ

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LRTと呼ばれる路面電車に期待集まる

   状況が厳しいのは、長崎市だけではない。路面電車は国内17都市で走っているが、財団法人公営交通事業協会が公表している07年度の「路面電車事業の活性化に関する調査研究」によると、路面電車全体を合計すると05年は26億円の営業赤字だ。17都市のうち、この20年で黒字基調なのは、広島、富山、岡山の3都市のみ。この背景として、同研究では、運行キロあたりの職員数が多いことや、設備費の負担が重く、バスや地方鉄道に比べて運行コストが割高になっていることを挙げている。

   一方で、路面電車に期待を寄せる動きもある。LRT(新交通システム)と呼ばれる路面電車がそれで、06年には富山市内のJRの赤字路線をリニューアルする形で「富山ライトレール」が開業。本数を増やしたり、バリアフリー化するなどの利便性向上策がうけ、開業以来、3年連続で黒字を計上している。

   他都市でも導入に向けての検討が行われている。LRTは建設費が地下鉄より安いことや、排出するCO2の量がバスの3分の1で済むことなどが、その理由だ。

   例えば栃木県宇都宮市では、運行ルートや停留所の設置方法など、すでに具体的な検討が進んでいるほか、西日本鉄道(福岡市)が08年11月12日に発表した10年計画「にしてつグループ将来ビジョン2018」では、今後の取り組みの一つに「都市部のLRT導入」が盛り込まれている。同社の広報室では「当社だけで進められる話ではありませんし、まだ何も決まっていません」と話すにとどまっているが、同社は約90年間にわたって福岡・北九州市などで路面電車を運行してきた歴史がある(福岡市は1979年、北九州市は2000年に全廃)。仮にLRTが導入された場合、「路面電車復活」という異例のことだけに、全国的に注目を集める可能性もありそうだ。

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