泥棒が嫌がるのは防犯カメラ?
ただ、今回のモデル地域以外の地区に目を向けてみると、住宅地の防犯カメラの設置で、犯罪抑止効果をあげていると思われる地域もある。
成城などの高級住宅街を管轄している警視庁成城署では、地域住民に対して、防犯カメラの設置を呼びかける運動を展開している。この背景には、00年12月末には一家4人殺害事件が起きるなど、住民が治安悪化への不安を抱いていたことがある。「泥棒が嫌がるのは防犯カメラ」と、同署による設置の呼びかけが始まったのは05年秋だが、07年2月には管内の設置台数が400台を突破。09年1月7日現在では、350か所779台が設置されている。同署のウェブサイトでは、「管内の侵入盗半減!ひったくり犯人も検挙」とうたっているほか、警視庁の統計を見てみても、管内の05年の犯罪認知件数は、刑法犯全体で4364件だったのに対し、06年3923件、07年3564件と「右肩下がり」だ。
もっとも、成城署では、
「警視庁全体でも犯罪認知件数が減っているので、『防犯カメラのおかげで減った』と言えるかどうかは分かりません。ただ、カメラの設置が何らかの寄与をしているとは考えています」
と控えめだ。