携帯電話のサイトで、ダウンロードなどができるアダルトコンテンツが急成長している。そのせいもあって、深夜にサイトにつながらなかったり、接続が遅くなったりするケースも出ており、各キャリアがヘビーユーザーへの通信制限に乗り出している。
女性の利用も増えている??
最近は、携帯電話からもアダルトコンテンツを利用する人が増えているようだ。
米通信社ブルームバーグの2009年7月6日付英文記事によると、日本は、アダルトビデオ(AV)の制作会社が1000社以上あり、08年は1万7000タイトルを生み出した。入会金1万円の人気サイトに、1日1000人もが新規会員になっており、携帯サイトでもお金になる事業に育っている。記事では、大手AV販売会社の携帯サイトでの売り上げが、08年度に40%も伸びて、月1500万円に達した例を紹介している。
この会社のオンライン部門の担当者は、「携帯サイトは巨大市場になりうるとみています。日本のアダルトコンテンツ市場規模は、推定で年間1000億円にも達しています」と答えている。
ブルームバーグの記事では、月々6300円で携帯サイトにつなぎ放題のサービスを利用している東京都内の旅行会社員男性(32)を紹介している。この男性は、アダルトコンテンツを頻繁に利用しており、「パソコンより携帯の方が、ネット接続はずっと手軽」と話したという。
ミクシィの日記では、この記事情報に対し、AV関連業界にいるという都内の男性(30)が、女性の利用が増えているのも原因と指摘している。「男はエロを見たければ、ビデオ屋、レンタルビデオ屋に堂々と入れる。ただ女性の場合は、周りの視線があるからそうはいかない」というのだ。
NTTドコモは秋ごろから基準を決めて、本格的に運用
一方、アダルトサイトの利用増は、携帯電話の回線を不安定にさせる一因にもなっているようだ。
携帯キャリア各社によると、深夜にデータ通信などの利用が集中し、「サイトにつながらない」「接続が遅い」といった苦情が寄せられている。このため、各社では、混雑する地域や時間帯のヘビーユーザーに対し、通信速度を落とす制限をし始めた。
NTTドコモでは、これまで地域一律にしていた通信制限を、2009年4月1日から定額制利用のヘビーユーザー対象に切り替えた。広報部では、「今は試行運用をしており、秋ごろから、1日何万パケットを使った人など基準を決めて、本格的に運用したい」と言う。auブランドのKDDIでも、すでにヘビーユーザーへの制限をしており、ソフトバンクモバイルも、6月からこうしたユーザーに対し試験的に制限を始めている。
各社とも、将来は、より高速で大容量にも対応できる次世代の通信システムに切り替えたいとしている。
もちろん、通信混雑は、ニコニコ動画などアダルト以外のサイトも原因になっている可能性がある。しかし、各社とも、アダルトコンテンツ利用の可能性は否定していない。
インターネットの発展は、こうしたコンテンツの利用が後押しした面もあると言われている。携帯電話でも、事情は同じようだ。