「ファストファッション」人気無視できなくなる
高島屋は堺店(大阪府堺市)に続き、新宿店(東京都渋谷区)にもユニクロを出店する方向で調整を進めている。西武百貨店も東戸塚店(横浜市戸塚区)に今秋、初めて誘致するほか、大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリング(JFR)もユニクロの出店に前向きな姿勢をみせる。
これまで百貨店業界では「ユニクロの戦略とは相容れない」(三越伊勢丹ホールディングス)との声が多かったが、顧客の低価格志向が強まる中、ユニクロや「H&M」などいわゆるファストファッション人気が無視できなくなっている。JFR傘下の大丸梅田店(大阪市北区)に今春、紳士服チェーンのはるやま商事がテナントとして出店し、集客増に成功したように、かつては「禁じ手」とされた対策も今ではめずらしくない。
全国百貨店の09年1~6月の売上高は前年同期比11%減と、半期ベースで初めて2ケタ減となるなど業界の危機感は強まっている。「ユニクロ」への対抗か、便乗かを含め、各社の苦悩が続く。