100年に一度の不況だというのに、1組あたりの挙式費用が増えているそうだ。その一方で、結婚式をしなかったり、「地味婚」にしたりするカップルもいて、ここでも「格差」が生まれているようなのだ。
「ゴンドラ」ウエディングから地味婚まで
ブライダル大手、ワタベウェディングは、ゆうちょ財団から全国規模で展開する結婚式場「メルパルク」を譲り受け、2010年3月期(09年4月1日~2010年3月31日)に3万組の挙式を行う計画だ。このため、売上高は前年同期比22.8%増の570億円、営業利益は同比18.9%増の33億円、当期純利益は同比25.2%増の14億6000万円となる見通し。
1組あたりの挙式費用が増えていることも業績を後押ししている。
挙式、披露宴、ドレス代をあわせた平均単価は、同社が運営する目黒雅叙園(東京・目黒)で320万円、メルパルクは220万円(09年3月期)。ただ、バブル期にみられた派手な演出の披露宴とは異なり、料理や引き出物にお金をかけてゲストをもてなすことを重視するカップルが多い。
一方で、レストランで披露宴を行ったり、婚姻届けを出すだけで式を挙げないという「地味婚」カップルもいる。ワタベウェディング広報担当者は、
「結婚式の形態が多様化していて100人100色です。バブル期のようにゴンドラに乗って新郎新婦が登場する豪華な式もあれば、お金をかけないカップルもいて、格差が生まれています」
といっている。
1軒家タイプの「ゲストハウス」での式を提案するベストブライダルは09年12月期(09年1月1日~12月31日)の売上高は前年同期比5.6%増の328億円、営業利益は同比2%増の62億円、純利益は同比30.4%増の32億円を見込む。
同社によると「比較的高単価な層は国内挙式へ流れる傾向が顕著」で、なかでもゲストハウスでの挙式が人気だ。その一方で、少人数プラン、挙式のみという例も出てきていて、ここでも格差が開いているようだ。