時間帯をめぐって会見の場で報道陣からも疑問の声
テレビ業界が不祥事を受けて放送した過去の検証番組と比べても、その「地味さ」は際だつ。例えば最近の例で言えば、NHK職員がインサイダー取引をしていた問題をめぐり、NHKは08年6月16日の22時から検証番組を放送。前出の「あるある」問題でも、関西テレビは07年4月3日の22時から約1時間10分にわたって、CM抜きで放送した。NHKの不正経理などが問題化した04年には、12月19日の21時から、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏などをゲストに迎え、検証番組「NHKに言いたい」が2時間15分にわたって生放送された。
さらに過去の例をさかのぼると、TBSがオウム真理教幹部に放送前のテープを見せた直後に弁護士一家が殺害された「坂本弁護士ビデオ事件」の検証番組に至っては、1996年4月30日19時から3時間53分にわたって、CM抜きで、テレビとラジオで放送されている。
今回の日テレ検証番組の「地味な時間帯」をめぐっては、会見の場で報道陣からも疑問の声があがったが、細川知正社長の答えは、放送枠が「NNNドキュメント」であることから、「ふさわしくないとは考えていない」。
前出の「あるある」捏造問題の視聴率は、22時台としては低い5.1%にとどまった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今回の検証番組の注目度は、さらに低いものになることが確実だ。