小さい子どもを持つ母親の大多数が「子育てにはネットが不可欠」と考えているようだ。育児情報を集めるだけでなく、悩みや愚痴を書き込んだり、動画サイトを子どもと見て楽しんだりと、ネットをフル活用している。また、かつては「公園」が母親たちの情報交換の場だったが、最近はインターネットの「コミュニティサイト」にシフトし、子どもが生まれてからパソコンで「ネットデビュー」したという主婦もいる。
ネットをフル活用して育児する「デジマム」
子どもが小さいほどネットの必要性を強く感じている
西日本電信電話が0~6歳の子どもがいる20~30歳代の主婦519人に行った「いまどきママの育児白書」で、84.6%が「子育てにネットは必要」と答えた。子どもが小さいほど必要性を強く感じているという。2009年7月30日に発表した。
使っているのはケータイ(11.4%)よりもパソコン(79.6%)が多い。また、パソコン利用者の約半数が「子供が生まれて、パソコンを使うことが増えた」と答えている。
パソコンでのネット利用時間は1日あたり、「1時間~2時間未満」(32.0%)、「2時間~3時間未満」(20.4%)で2時間前後。これは働く女性の自宅での利用時間(約1時間)を超える。同社はネットをフル活用して育児する、いまどきママを「デジマム」と呼んでいる。
また調査でデジマムたちの情報交換の場が「公園」から「ネット」に移りつつあり、「公園デビュー」ならぬ「ネットデビュー」となっている、と指摘。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログなど「コミュニティサイト」のユーザーに利用頻度を聞くと、週に平均3.7回、利用時間は3.9時間だった。これ対し、子どもを公園に連れて行く頻度は主婦全体で週に平均1.7回、滞在時間は2.9時間。「週1回未満」という回答がもっとも多く、全体の3割を占めた。
書き込みで愚痴や相談を聞いてもらえる
携帯よりもパソコンを使う機会が増えている
では、具体的にどのようにネットを活用しているのか。
39歳の専業主婦は、
「同じ年代のお子さんをお持ちのママさんに悩みを相談し、みんな同じように悩んでいて安心した」
と回答。
悩み相談に使う人は意外と多く、28歳の専業主婦も、
「書き込みで愚痴や相談を聞いてもらえるのでストレス発散になる」
と答えている。
育児のことは姑よりもネットで聞く、というひともいた。
ほかには子どもが病気の時に症状や対処法を調べる、料理検索サイトで子ども受けがいいメニューを探すといった使い道もある。
子どもの成長をSNS「ミクシィ(mixi)」にアップして身内や友人に公開する。動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」で子守唄を聞かせたり、アニメなどを見せて一緒に遊ぶ。こうしたネット活用積極派も増えている。
また、小さな子どもを連れて外出するのが難しいため、買い物もネットで済ませることも多い。ネットで利用する機能を尋ねると、トップの「メール」(88.1%)とほぼ同じ割合で「ネットショッピング」(87.9%)が上がった。利用回数は月に2.2回。購入金額は月額1万1545円で、1カ月の買い物のうち約2割を占める。また、「子どもの服をオークションで購入する」(29歳専業主婦)という例もみられた。