ニューヨーク・タイムズ (The New York Times)が美少女キャラを人間のように愛する37歳の日本人派遣社員の特集を組んだ。この記事に「奇怪で危険な事だ」「一種の仮想幼児愛ではないのか」といった批判的コメントが書き込まれた。これに対し、この派遣社員が運営するブログには、逆に応援や励ましのコメントが数多く寄せられている。
「私が死ぬとき、私は彼女を抱いたまま葬られたい」
美少女キャラを愛する日本男性の特集「Love in 2-D」が掲載されたのはNY・タイムズマガジンの電子版(2009年7月21日)。そこには、子供ほどの大きさの抱き枕を抱いた男性の写真が掲載されている。抱き枕に描かれているのは下着姿の美少女キャラだ。
この男性は37歳の派遣社員で「Nisan(兄さん)」という。外出するときはいつもこの抱き枕を抱えて「デート」。カラオケもプリクラを撮る時も一緒だ。人間の彼女がいた時期もあったが、コミックマーケットでたまたまこのキャラに出会い「彼女は、私の人生を本当に変えた」。
人間と同じ愛情を注ぎ、
「私が死ぬとき、私は彼女を抱いたまま葬られたい」
というほどだ。
「兄さん」は、自分の二次元(アニメ、ゲーム、コミックなどの世界)キャラに対する行動や考え方を、一般の人には理解してもらうのは難しいだろうと感じている。NY・タイムズの取材に、
「人々は、多分、精神科病棟から逃げてきたのではないか、などと思っているでしょう。仮に、私が私にあったとすれば、私も同じように考えるでしょうから」
と話している。それでも、これほど二次元キャラを愛し続けるのは、それだけキャラへの愛が本物だということだそうだ。
NY・タイムズは、日本の男性が二次元キャラを愛するようになった理由を、異性同士のロマンティックな恋愛が困難になっているからではないか、と推測している。その根拠は、30歳~34歳の男性と女性の4分の1以上は異性経験が無く、男性と女性の5割は異性の友人がいないという日本政府の調査。