親会社AIGの目論見を狂わせる可能性
だが、流出の可能性が高い情報はすべて、通販で加入し、保険料はカード払いのお客。国内大手は保険料が給与から天引きされるケースが大半なのに対し、アリコはカード払いが多く、アリコが成長の源泉としてきた「カード払いの通販」がカードの不正使用へと「被害」を膨らませた。金融庁も事態を重視し、業務改善命令も含めた処分を検討する考えだ。
米AIGが2008年秋の金融危機で破綻の淵に追い込まれ、アリコも保有するAIG株が急落したため、2009年3月期決算は2828億円の最終赤字に転落した。AIGの経営不安などが響いて、保険料等収入も減収に陥った。米当局から巨額の金融支援を受けているAIGは返済資金ねん出のため、アリコの売却や分離・上場を検討しているが、今回の情報流出問題でアリコは営業の生命線である保険商品の広告を自粛。業績がさらに悪化すれば、AIGの目論見を狂わせる可能性は否定できない。