夏はスパイスで体調管理? 使い分け進み市場急拡大

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   スパイス市場が急拡大中だ。食用や薬用、葉や果実、種子といった部位での分類や組み合わせ、用途などによってかなりの種類があり、日本で流通しているものだけで約100種に達する。フレンチにイタリアン、和食と、世界中の料理が手軽に味わえるようになったことや使い分けも進み、消費量が増加している。さらに、最近では夏バテ防止や冷え症対策としてもスパイスが注目されている。

スパイスは体を「温める」

好みのスパイスを組み合わせて使う楽しみも
好みのスパイスを組み合わせて使う楽しみも

   「夏バテで食欲がわかない」「冷房の効きすぎで体調がすぐれない」――。そんな人に、スパイスに詳しい、日本薬科大学の丁宗鐵教授は「夏はスパイスで体調を整えるといい」とアドバイスする。

   じつは、冷え対策は冬と思われがちだが、それは昔の話。最近では外気と室内の寒暖差が大きい夏のほうが体調を崩しやすい。そのため、「夏の体調管理こそ大切」というわけだ。

   夏バテ防止にはしっかりとした食事を心がけたいが、食欲が減退して、サラダなどで簡単に済ましてしまうことは少なくない。とくに女性はダイエットとの一石二鳥にもなるので余計にそうなりがち。しかし、一方でサラダは体を冷やしてしまうマイナス面があるので、スパイスがもつ体の冷えをやわらげる効果で、バランスをとることを勧めている。

「たとえば、お寿司も生魚なので体を冷やします。そんなとき、わさびやガリ(しょうが)を摂ることで、体が冷えすぎないようにコントロールできるのです」(丁教授)

   お寿司用のわさびやガリは、じつはスパイスとして体を温める、冷え症防止の効用があった、というわけだ。それと同じように、サラダにも複数のスパイスをひと振りするだけで、体の「温め」効果が見込める。

   では、サラダにはどんなスパイスがマッチするのだろうか。もともとスパイスを選んで摂ることに日本人はなれていない。ブラックペッパーやパプリカ、パセリ、クミンなど、種類が多いだけに悩んでしまうが、丁教授は「スパイスには、よくない組み合わせというものがありませんから、好みのものを選んで、楽しむことでいいと思います」という。

スパイスは200億円市場「まだまだ広がる」

   スパイスに、防腐や殺菌、消臭作用があることは一般にもよく知られている。体調を崩したとき、気分がすぐれないときにスパイスを料理にひと振りするだけで、食材をおいしくするだけでなく、心身を整えてくれる効果が見込めることがわかってきた。

   こうしたことから、市販されているスパイスも種類が増えてきた。カレー粉や七味唐辛子、五香粉、ガラムマサラといった複数のスパイスがブレンドされているミックススパイスも豊富になってきたし、最近は塩や砂糖などの調味料を加えて味付けしたシーズニングスパイスもある。ドレッシングにも、複数のハーブを組み合わせたものや、ガーリックペッパーや黒ごま、チリパウダーなどを混ぜて取り入れたものなど、品揃えが充実してきた。

   それに伴ってスパイス市場が拡大。財務省の輸入統計資料によると、香辛料の輸入は金額ベースで、05年の191億円から07年には224億円市場に広がってきた。

   丁宗鐵教授は、「日本のスパイス市場は、ヨーロッパなどとは比べものにならないくらい小さい。今後まだまだ、いろいろなスパイスが登場するでしょう」と予測している。

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