フル充電に14時間  電気自動車普及への険しい道のり

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フル充電に14時間はかかりすぎ

   いよいよ公道にお目見えする「アイ・ミーブ」だが、フル充電に14時間かかったり、リチウム電池の寿命が5~10年で、その入れ替えに200万円の費用がかかったりといった、リチウム・イオン電池をめぐる使い勝手の悪さが取沙汰されている。

   三菱自動車と、リチウム電池の開発にかかわったGSユアサは、「リチウム電池は取り替えなくてもいいようになっていますし、そもそも取り替えなど想定していません。ガソリン車の買い替え年数と同じくらい、廃車するまで乗れます」と胸を張る。ただ充電時間については、少なからず問題があるようだ。

   家庭用コンセントで充電できるとはいえ、フル充電に14時間はかかりすぎ。夜間であれば電気代が安くあがるのはいいとしても、睡眠時間より長いのだから、夜間使用は結構難問だ。

   一方、30分で80%の充電が可能な急速充電器という設備はあるが、一般家庭の設置は無理だという。現在、東京電力など電気事業者が主体で普及に取り組んでいて、イオンショッピングモール(埼玉県越谷)や神奈川県庁、丸ビル、平和島や大黒ふ頭のパーキングエリア、東京電力の営業所などに設置されている。「協力が得られた個所への設置から進めていく」(三菱自動車)ことになるので、ガソリンスタンド並みの普及にはなお時間が必要だ。

   「アイ・ミーブ」のよさは、家庭用コンセントでも充電できる便利さにある。GSユアサは、「単純に家庭用100ボルトのコンセントを、200ボルトに引き上げれば、14時間が7時間に短縮できる。しかし、それだとアイ・ミーブのコンセプトである、家庭用コンセントへのこだわりが薄れてしまう。そんなことはしません」と話す。

   さらに、「長距離を運転するのであればハイブリッドカーを選べばいい。EVカーは軽自動車に代わるセカンドカーのニーズに対応する」と強気だ。

   300万円のセカンドカーにどんな人が乗るのだろうか。

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