キリンとサントリー「対等合併」 焦点は創業一族株の行方

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サントリー株の9割は、創業一族が握る

   一方、サントリーは中国・上海でのビール事業や中国・台湾でのウーロン茶など飲料事業が立ち上がり始めたが、海外の売り上げ比率は10数%にとどまる。業界勝ち組入りを目指す佐治社長にとって、キリンはノドから手が出るほど欲しい相手だった。

   ただ、今後の交渉は簡単ではない。佐治社長は記者団に「対等合併」を強調したが、直近の連結売上高はキリンの2兆3035億円に対し、サントリーは1兆5129億円で、3分の2の規模にとどまる。さらに非上場であるサントリー株の9割は、創業一族の鳥井家と佐治家の資産管理会社である寿不動産(本社・大阪市)が保有している。

   同社の社長はサントリーの佐治社長のため、統合に反対することはないとみられる。しかし、そのまま統合すれば、上場会社となる統合会社株の4割超を寿不動産が保有することになるため、統合実現には同社の保有株の売却が問題になるのは必至。「真の国際企業に脱皮するためには同族企業色を薄めるのは当然」(首脳)との声はサントリー社内にもある。今後はその売却先がどこになるのかによって、統合の性格が左右されることになりそうだ。

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