高級品置きつつ、「すそ野」広げる
大丸、松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングはユニクロの出店についてノーコメントだった。その一方で広報担当者は、
「お客さまに魅力ある店作りをするために、これまで百貨店と取引がなかったような企業との取り組みを考えています」
と語る。
大丸梅田店に09年3月、はるやま商事の紳士服店がオープンしたのも百貨店に縁がなかった若年層を取り込む狙いがあった。前例のない試みだったが、J.フロントリテイリングは「目標を上回る売れ行き」という。
「当社を含め、これまでの百貨店は中高年を対象にした高価格品や、ファッションはドレスアップしたものを重視してきました。そのため20~30歳代向け商品、デイリー、カジュアル品は弱かった、と反省しています」
とはいえ、依然として海外ブランドや高級品も扱っている。安い品と高級品が混在していて、百貨店の顧客に受け入れられるのだろうか。これについては、
「例えばシャネルの横にユニクロを置くことはありません。安い品を集めたフロア、ブランド品街というようにフロア構成を考えているので混在しません。高額商品は従来通り取り揃えながらも、『すそ野』を広げることで幅広いお客さまを対象にしていきます」
と話している。